メーデー!

旅行関係の備忘録ほか。情報の正確さは保証致しかねます。

我々はどこから来たのかもわからず何者かの身分も曖昧なままとにかくクラクフに行くらしい(他人事)

 

エマ・ウッズの人生について考えてたら夏が終わったし、自分の人生が覚束ないし、あともういくつ寝ると出国らしいですよ! は!? 同行者は高飛び開始に向かってすっげぇ社畜してるし、一方の私は一月〆切の一世一代論文原稿が、これは一年前から薄々気付いていたことなんですけど、構想段階から骨折してない? 地鎮祭も終わってないのに、引っ越しトラックが押し寄せそうな勢い。バーカ!! こんなところに居られるか!! 一足先に抜けさせてもらう!!

 

予定している高飛び、三ヵ国周遊プランらしいんですけど、イチから一々自分で予約してる癖に、全然記憶にない。驚くほど記憶にない。予約履歴を見ると、オーストリアハンガリーポーランド。ここに行くらしいです。

「東欧三ヵ国周遊」とか言うと絶対もっとマシというか、人道的というか、王道のプランがある筈なんですけど、オーストリアハンガリーまではわかる。そこからチェコとかスロヴァキアとか、その辺抜けるルート取りの方が、無理がないのではないか?いやもうあらゆる予約を済ませてから、言うことじゃないんですけど、何これ。何でポーランド? と思って色々思い返してみると、そういえばこれ、私が無理を通して主張したことだった。

 

マウス―アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語

マウス―アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語

 

 

マウスII アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語

マウスII アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語

 

 

これが私の人生ブック、今に至るまで私を苦しめる人が歴史化していく過程、或いはアイデンティティ問題への関心の源(推定)なんですけど*1、同行者に「どっか高飛びしたいからプラン出してくれ」と言われた時、私そういえばこの本を持ちだして、オシフィエンチム行きを希望した。

じゃあ東欧っていうと、ウィーンとかその辺が有名どころか。 そういやウィーンが女性的で、ブダペストは男性的な都市らしい。 おっハンガリーは物価安らしいぞ!←このテンションで行程を決定

前回から何一つ学んでいないのでは? 何このゴミフットワーク 風が吹いたらどこまでも飛ぶのか? 少しは腰を据えて物を考えてみろ。

 

ところでこの旅程を組んだはるか遠い過去(マジで何時頃にどっちがこの日程確認してオッケーして予約を取っていったのかの記憶が無い)の記憶を、乱雑な文字記録の残されている手帳を片手に解読していきながら思ったことなんですけど、人類、どうやってクラクフに行ってるんですか?

 

 

クラクフ

Wikipedia(日本語版)によると、クラクフポーランド南部にある都市で、マウォポルスカ県の県都ポーランドの古都で、日本でいう京都みたいなところらしいです。

旅行サイトとかを見ていると、「ヤゲヴォ大学」とか「カジミエシュ」とか何か世界史Bで聞いたわ……みたいな固有名詞がポツポツ。

 

stworld.jp

 

www.travel.co.jp


今回の高飛びでは経由地としてのアレが強く、ここからのオプショナルツアーをブンブンに予定に入れているんですけど、割と町に見るものが多いみたいですね?(行き場の無い問いかけ)

 

今回の行程でクラクフを経由するのは、オシフィエンチムに向かう為です。あとついでにヴィエリチカにもいく。マジで経由地扱いだな過去の自分、京都だぞもっと滞在しろ。

 

visit.auschwitz.org

witam-pl.com

witam-pl.com

www.wieliczka-saltmine.com

witam-pl.com

tabitabi1110.com

 

ところでそのクラクフへの移動手段なんですけど、極東の島国にお住まいの皆さん、どうやってクラクフに向かわれているんでしょうか。

 

YOUはどうやってクラクフに?

いやマジで、

日程の問題もあると思うんですが、我々が検索した時点でスカイスキャナーで成田からクラクフまでの便がなんか物凄い便(韓国で異なる空港間乗換とか)しかなくて、直にクラクフに入るのは早々に諦めた。じゃあワルシャワは? っていうと、それはそれで便が無い。もっと早くから予約していればもう少し選択肢はあったのかもしれない、と思ったような記憶があるあたり、ここ数か月で旅程をつめたのか? そんな馬鹿な ふしぎ星の☆ふたご姫見てた記憶しかないぞ

結局、一番選べる便数が多いウィーンから入ることにしました。ウィーンは物価クソ高って聞いてるけどしゃあないのでそこから陸路移動をしよう。ヨーロッパ旅行っていうと鉄道みたいなイメージあるし、旅情~~~~

 

www.ohshu.com


調べてみたらなんか路線ありそう。五時間とか掛かるらしいけど、寝台列車とかあるし、ワッ! 夜行!旅情~~~ロマンチック~~~とか言って調べるとまぁ結構いい値段するし、そもそもサイトの仕組みがよくわかんない。ミジンコフットワークで調べているのでロクに比較検討とかも出来ていない。

 

urtrip.jp

 

取り敢えず公式サイトから買えばなんとかなるだろという大雑把な考えで区間検索をするんですが、なんか価格が便によってあまりに違い過ぎる。異様に安いチケットにはTicket for section onlyとか書いてあるし。そういうようなことをわからないなりにえっちらおっちら調べてみると、Ticket for section only、「オーストリア国境まではここで予約できる。国境を越えた先はお前が自分でチケットを取れ」という意味らしい。

じゃあポーランド側の鉄道予約はどうかっていうと、どうやら乗車日の一か月前からじゃないと取れないというのを確認して、じゃあ鉄道にするんだったら、予約はもう少し後でもいいか、という話になった覚えがある。

なおSparschiene ticketは「早割」、OBBのサイトは時刻は見やすいけど日付はあんまり大きく主張して来ないので、しつこく日付確認してくる日本の夜行バス予約に甘やかされた私さんはほんと気を付けて欲しかった(後に誤って購入した上キャンセル不可タイプの最安な買い方をした結果チケットを一枚ドブに捨てた)

 

次いで調べたのがバスだ。イギリスに行った時私はチキって列車移動したんですけど、ダウントンアビー推しで英文科に入った知人はそこでビッグバスだったかビッグベンだったか、なんかそんな感じのネーミングのバスをブンブン乗り回して毎週末格安聖地巡礼していた。

 

www.eurolines.eu

turedure0725.blog.fc2.com

www.omio.com

narumori.com

 

そういうようなことを思い出しながらなんかこのサイトで今調べたらEurolineの方は出てこなかったんですけど、Omioでは出て来た、エッ!? 以前調べた時はオッウィーン→クラクフのバス路線あるやんと思い、目当ての日程を入れたら死ぬほど出てこなくて死んだんですけれども。

 

結局どうしたかというと、金で解決した。世は大空輸時代。都市から都市の移動は、だいたい飛行機で飛べば何とかなる。

そうやって予約した格安航空、なんか荷物の持ち込みが出来ないタイプのまま予約しちゃったみたいなんですけど、本当に大丈夫なんでしょうか。

飛行機予約でトチッた同行者と鉄道予約でミスった私は顔を見合わせて笑った。彼女が笑顔の裏で何を思っていたかは推し量りがたいが、私は笑って許してくれる友達を持って本当に良かったと思った。

 

笑っちゃうほど行き当たりばったり、旅行の最大の敵はリサーチ不足と油断らしいんですけど、今のところその双子を小脇に抱えて、同行者と二人でタップダンスしている。ゆうてヨーロッパだから大丈夫だろう、英語がきっと通じるだろう、荷物の持ち込みについては、カードで支払えばきっと解決するだろう、まぁ荷物なくても死なないし、ゲラゲラ! どうなんでしょう、このようにして、いかにも平和ボケをしている。生活をしていてもそうですね。リサーチ不足と油断と手を繋ぎ輪になって踊る。ここに惰性がやってきて私の足にじゃれつく。

現在同行者に貸し出している私の人生ブックも序盤は本当にそんな感じだった。いや、正確にいうとそんな油断惰性怠惰と踊ってる訳じゃないし、全然違うんですけれども。

オルタナティブコミック「マウス」は、筆者であるアート・スピーゲルマンの父が経験した「戦争体験」を描いたものなんですけれども、父ヴラデックは裕福な家出身の才覚ある青年で「身に付けた技術は自分の身を救う」というのを信条の勤勉さも兼ね備え作中ではその勤勉さがここぞというところで光る人生を見ることになるのですが、そんなヴラデックも、特に戦争前の青年期では、知り合った女性と惰性でメイクラブして、その後その女性となんとなく疎遠になった頃に出て来た見合いの席で、彼はこれはという女性と出会うんですけど、彼女とまとまる時にその惰性メイクラブが面倒を引き起こす、みたいな、脇の甘い展開もある等、本当 人間の暮らし、なんか課長島耕作っぽいエピもある。

それがある日、「戦争」で急に物事が悪くなるという訳ではなく、日々を暮らしている内に、段々段々と悪くなっていくんですけれども、火に掛けられている水の中にいる蛙が、段々温度が上がっていくことに気付かずそのままゆで上がるという話って、果たして本当なんですかね? 例えそれが蛙にとっては事実でなくとも、人間だとそういうことは本当にあるんだろうなということを、教授ちゃんやレジュメのアレで微々たる学をつけつつ私の人生ブックを読み返す時を始め日々感じている。

これでオリンピックマジでやるのかよと思ってたら、マジでやるみたいですし、消費税マジで上がるのかよと思ってたら、マジで上がるようですし、近隣地域はなんか、エライことになっていますし、戦争発言の議員は、また別場所で戦争発言をしているようで、ええっ どうなるんでしょうねコレ こんなところに居られるか!! 一足先に抜けさせてもらう!! 一足先に抜けたところにユートピアガンダーラがある訳でもなしに、どうなるんでしょうね我々、どうするんでしょうね。

 

 

増補 普通の人びと: ホロコーストと第101警察予備大隊 (ちくま学芸文庫 (フ-42-1))

増補 普通の人びと: ホロコーストと第101警察予備大隊 (ちくま学芸文庫 (フ-42-1))

 

 

*1:人文系の学生が一定数罹患している風邪みたいなもの。特に文献史学を主とするところに所属の学生が罹患すると余程の才覚がない限り文献史学の厚みにやられてエリバ博士になる。