
Googleで「永遠の都」と検索すると、一番上に出て来た「AIによる概要」欄が「「永遠の都」は、一般的にイタリアの首都ローマを指す称号です。」と教えてくれて、その次に『永遠の都』の上巻(全3巻)販売ページが表示される。この作品を読んだことはないんですけど、作品概要に「亡命革命家」とか「若き下院議員」とかいう語が踊っているので、多分政治をテーマにした何らかの物語が繰り広げられるんだろうなと思う。
永遠の都に行きました、旅行で。テルミニ駅の側で宿を取ってしまって、毎晩周辺エリアでの緊張感がなんか凄かったり、その宿で1人1晩6ユーロの市税*1が発生したり、スリの皆さん*2や物乞いの一家*3と公共交通機関で袖を触れ合わせたりしていた。
レストランに入ると毎回店員の人生模様が繰り広げられており、何故か我々が会計に入ろうとすると店員同士が言い争ったりタバコ休憩に入ったり常連(と思わしき第三者)とイタリア語会話に花を咲かせていたりするので毎回小一時間ぐらいの待ち時間があった。テルミニ駅からトレビの泉とかあるエリアに続く舗装が若干がたがたで「歴史的な」趣ある道沿いにはいくつも時計が掲げられていて、そのどれもが違う時間を示している。
認知症に見られる一見おかしな行動も本人にとってはキチンとルールがあったりします。
— ケン (@LBomOmzwA7p8hba) 2026年2月19日
生活家電が2個ずつある家とかも聞いた事ありますが一体どんな理由なんでしょうね… pic.twitter.com/NgzKW8txGA
これは単にわたくしの「器」が狭いというか、度胸がないという話になると思うんですけど、イタリアってかなり旅行先としてたぶんメジャーで、海外旅行Wi-Fiを借りる時もエリアで選択すると「人気の旅行先」として見つけやすい位置にボタンが配置されていますし、トラベルコのサイトでもイタリア/ローマは行きたい旅行先(ヨーロッパ編)で第四位にランクインしてるんですけど*4、なんか、難易度設定がおかしくないか? ここ。
以前ヴェネツィアに行って飯屋(カフェみたいなところ)で食事にありついた後会計しようとしたら店内ラジオで良い感じの曲が流れて来て常連もレジ係も踊りだしたので十分ぐらい会計を待たされた辺りから薄々感じていたんですけど、なんか、ここ、むずくないですか? 観光。
同サイトで2位にランクインしているロンドンは(今はどうだか知りませんが、少なくとも2023年頃は)日没後に歩いても(エリアによると思いますが)そこまで危険な感じは無かった*5。地下鉄に乗っていると物を乞われる方もいらっしゃいましたが、その方も「見ればわかる」ような感じではなく、ご本人も「私は普段こんなことをする人間では決してないのですが」という丁寧な前置きをなさっていた。
同サイト3位ランクインのバルセロナには二回ぐらい行かせていただくことがあったんですけど、その2回で置き引きを目の前で目撃したり(1回)、何故か男女混合複数人グループで歩いているところを浮浪っぽい不審者に店内までストーキングされたり(1回)という事案はありましたが、歩いているだけで危機感を覚えるようなそれは無かった*6。
このランキングで1位のパリは行ったことがない。ニュースで見ているとトコジラミ*7だったりゴミ収集ストライキ*8だったりルーブル美術館からの窃盗事件*9だったりと世紀末都市の様相を呈していますが、新婚旅行先がパリだったお友達のInstagram旅行記録なんかを見ていると、まさにキラキラの旅行がそこに実現されているので、時期と運がよければとんでもないことはそんないのかも、という目で見ている。まあニュースだけで見ていると、東京も中々イカツイ事件が連発していますもんね。
それで、永遠の都・ローマ。
なんかイカツイ事件っていうか、雰囲気がイカツイ。
特にテルミニ駅の駅前辺りの緊張感がなんか、雰囲気はリマ(ペルー)のセントロ*10で感じたそれなんだよなと思っていたんですけど、なんでもTwitterによると、ローマよりも南に位置するナポリの路地で感じる緊張感は南米のそれらしいです*11。そう言えばバルセロナのフェラン通りとかも野良の泥棒市場*12開催されてたわ。バルセロナもいかついです。
じゃあ何で「バルセロナと似たようなもん」と思うでもなく、ローマの治安だけ特筆して悪く感じたんでしょうか? ローマが世紀末都市ということでは全然なく、なんか思ったより凄みがあるぞと私が感じているということなんだと思います。こちとらローマの休日でイメージを形作っているところで現地に向かい、ウィードの残り香を微かに纏う芳醇なショウベンのスメルが漂うテルミニ駅地下通路(駅に近い出口)とか見たらびっくりする。そういう感じなんだと思います。
じゃあ何で、ローマで感じた現地のイメージばかりが、私の頭の中でこんなにイカツイのか。
なお、バルセロナのことは元々イカツイ街だと思ってました。
旅行中に同行者所有のネットフリックスアカウントでJOJOの五部アニメを見ていたから
コーイチくんが承太郎さんからの頼みでイタリアへ渡航するところから、ジョルノの就任式のシーンまで見た。旅行中に何でアニメ全話見てるのか? オタク(一人称)の旅行って目的地が基本的に文化財ゾーンなので、冬場は軒並み17時に閉まるんですけど、ここからいわゆる夜遊びに関心がないと、遅くとも19時くらいには食料を持って宿に戻ってきているか、そうでなければ20時頃には腹ごしらえを済ませて宿に戻ってきている。そこから毎日2時間~3時間ぐらいジョジョを見ているので、一週間あれば2クールのアニメを全話見ることになるらしいです。初見ではないのもあって話の呑み込みに詰まる場面も少ない。
だいたい話の筋を知っているとはいえ、初見時はキャラクターのバトルなんかを主に記憶しているので、作中で一行がイタリアのどこに行って何をしていたかという背景知識的なところが結構頭から抜けている。
なので、ブチャラティがボスと面会するために向かった教会を見て、以前大騒ぎしてここまで行き、ここで水上バスの料金がどうやら思ったより高い(全然乗らないつもりで回数券を買っていなかったのが悪い)ことに気付いて*13、折角目的地の教会に着いたのになんかもうそれどころではない雰囲気になってしまったこととかを思い出したりしましたし、「ローマパスの無料入場の対象かつ予約なしで入れるから*14」という理由でサンタンジェロ城に入場した日の夜に視聴した回の中で一行がチャリオッツ・レクイエムを追ってサンタンジェロ城に向かった時は、流石にTwitterを眺めるのを止めて食い入るように宿のテレビを見詰めていた。だいたいどこに行っても液晶を見詰めることを止められない。

ジョジョ五部、特に物語後半にはアニメ背景としてチョコチョコとローマの街並みが出てきますが、あの力の入らない土気色の感じはアニメ表現としての省略をしているというのもありつつ、結構あんな感じだな、と思った。迫真の遺跡が掘り返された後の土気色をした中に、ちょこちょこと、後世の人間が立てた街並みがある。
通りによっては流石に19世紀~20世紀ぐらいだなという感じの街並みもありますが、そうではない遺跡の近くなんかで、どこか人(時代性を身に纏っている)の往来がない適当なところを写真だけ取って白黒加工していつの時代か当てようとすると、素人の印象だと、結構難しくなりそうだなという感じの、時代による特徴が街並みに反映されにくい街。
これって「永遠の都」の二つ名がまさにこの性能を反映しているようでアツい! とはいえこれ、特に遺跡を飯の種にしているようなヨーロッパの街並みって、多かれ少なかれ共通して持っている性質だとも思います。

基本徒歩移動だったから
Googleマップとにらめっこをしながら徒歩移動をして、狭い路地とかにうっかり入りこんで割れたビンとかなんかの糞とか、あとポイ捨てされた煙草の吸殻なんかが石畳の間にこびりついた、昼間も薄暗いようなうらぶれた路地を、早足でこわごわ歩くことが多かったから? というのは一要素としてあったかもしれない。
何でそんな徒歩移動してるのかっていうと、公共交通機関を避けていたから。
別に公共交通機関が「無い」ってワケじゃないし、観光客も普通に使ってると思うんですけど、この公共交通機関がマジで、泥棒のグリーティングエリア。
地下鉄、バス、鉄道はあんまりいなかったかも。なので鉄道は兎も角、前二つは普通に推定泥棒と目が合うし、場合によっては愛想を振りまいてくるケースがあるので、マジでグリーティングスポット。ディズニーランドではミッキーたち、ローマではスリ稼業の方が手を振ってくれます。特別何かされたわけじゃないんですけど、見目がちょっと不穏。
— チョメ (@qm9_9mq) 2025年1月21日
推定泥棒の皆さんってこれぐらい周りと雰囲気が違うので、何をされたという訳でなくとも察しが付くし、路面バスのバス停からいざやってきたバスに乗ろうとしても扉が開かないことに困惑していると、車内から「お前そっちのドアは開かないぞ」と身振りで教えてくれるし、それはそれとして混んでいるバスの発車を待っていたりすると、人混みをぬうようにやってきて俺の荷物に急接近を仕掛けてくる。これは他のエリアと違って「生業ではなさそう」な人らがやたらと身綺麗なので、そのせいでかえって目立っているという説もあります。
時期の問題
たぶんこれもある。
新作小説が1年足らずで日本語に訳されるフランス人小説家ことミシェル・ウェルベックが、「クリスマス~年末のバカンスシーズンを孤独に過ごすことの惨めさに耐えられなくなった人間が一定数死ぬのでこの時期は死亡率が高い」という話だったかモチーフだったかを作品内で擦り倒していることと思いますが、この裏というか対偶としての概念というか、所謂「まとも」とか「順風満帆」とされる人らが手に手を取り合い田舎に帰るか思い思い自分の家で家族と過ごし、教会という教会も信徒らのためだけに貸し切りミサ状態になるこの時期に表通りをうろつき倒しているのは、それこそ観光客、あるいは筋金入りの商売人か、恐らくこの街に根差していない人達、そしてちょっと異様な雰囲気の奴が多い。
こちらからの偏見も勿論多分にあると思いますが、二日酔いの赤ら顔で目がバキバキのベネディクト・カンバーバッチがにやにやしながらついて来たかと思うと、ある地点で挨拶の声掛けだけ寄越して去っていく。テルミニ駅からおそらく南方に向かう途中の公園の入り口ではめっちゃ喧嘩してる。その周辺にある騎楼というかアーケードというかという建物の前にある道 建物一階部分にある公共スペースのようなところで、ダメージボーナスイカツそうなSTR11の壮年男性が二人で何やら剣呑な眼差しを向け合っている。
とてもカメラを向けられるような雰囲気ではなく、しばらくその辺りをさ迷ってから早々に「観光」を諦めて速やかにホテルの部屋に戻ったのは12月25日のことだった。イタリアでは12月24日は博物館のような公営施設は午前で閉まるか開かないし25日は勿論休みだしその翌日の26日も聖ステファノ(最初の殉教者らしい)の日で勿論休みなのでどこも空いてないです。終わりです。

でも屈指の観光エリアではある。
なので、観光客のスタイルはやけに身綺麗。ここはバルセロナとちょっと違う印象があったところかもしれない*15。
旅程中バチカン美術館に行こうとしたとき、個人で購入できる現地チケットのスロットが空いていなくて、仕方なく観光代理店で売り出しているバチカン美術館日本語ツアーに申し込んでどうにか潜入、「順路は原則一方通行ですので、ここではぐれたら二度と合流はできません」と脅されながらツアー客として入ったりしたんですけど、この時一緒に行動した日本人観光客の皆さんが割となんか、全員富裕層の雰囲気があって、夫婦や年配の親御さんを連れた親孝行息子さんの他、夫婦と大学生と思わしきお子さんを連れた家族連れのそのお子さん、都内きれいめ大学の学部一~二年生が着ていても遜色のないピラピラしたおしゃれ着の娘さんが、MacBook Airとか入ってそうなanelloのリュックを背負って、ヴァチカン美術館の出入口から延々連なる観光客の濁流の最後尾に向かって人並みを掻き分けていく途中、車道を横断しながら立ち止まって、iPhoneで写真とかを撮る。
これを見てた時、なんか、自分がおかしいのかも 自分が、世界への信頼度が著しく低い状態でものを見ているのかも 本当はもっと美しく、まだ信頼できる世界が広がっているものを無視して、ひたすら怯えているのかも、とも思ったんですけど、人間不信で挙動不審のオタク君でも面白かったですよローマ。駅前に突然現れるディオクレティアヌス浴場のでっけ~~~~~~跡地とか 「なんかお前らこういうの見たいんでしょ」という雑さで置かれた瀕死のガリア人とか 「いやいや写しだから ぜ~んぜん ホンモノじゃないからここに置いていいんだよ~」みたいなテンションで規制線もなくその辺にポンと置かれている、「古代ギリシアの像を古代ローマ時代に複製した代物」とかあって、こんなんインチキだろって量の遺跡を拝みにもう一回行きたいのでマジで、早く戦争状態を止めて下さい*16 燃油サーチャージが値上がりしています!! あと、利用できる空路がないです。すべての道はローマに通じるんじゃないんですか? これが環境対策ってことですか?
環境保護のやり方 pic.twitter.com/PRBY6w3ysj
— セモ(幸せな韓国人) (@Polandball_2003) 2026年3月30日
*1:1ユーロ200円ぐらいの時
*2:服装や挙動が特徴的なため、見れば察しが付く。これまで行った先でも見れば何となく察しが付くような挙動はあったりするんですけど、ローマのそれはなんか、レベルが違う。本当に「見れば分かる」。これは今回旅行で行った時期が冬場(パンピーが着込むついでに着飾るので服装で資本力が露わになる)かつクリスマス~年末(向こうで「まとも」とされる人間は田舎で家族と過ごしているような時期)だったので、よりあからさまにそれが現れていたということかもしれませんし、これが違う場所とかパンピーの格好がユルくなる夏場とかだったらまた違うのかも。
*3:車両から車両を行脚し乗客から徴収していた
*4:春のヨーロッパ旅行 人気の海外旅行先ランキング|海外旅行特集【トラベルコ】(最終閲覧日2026年4月9日)
*5:当時歩いたのは写真を見るにブラックフライアーズ駅周辺~Airbnbの部屋までなので、これは相当中央部の安全エリアを歩いている感想だと思う。
*6:でも過去のブログで「ボーは恐れている」冒頭の街並みをして「バルセロナ旧市街中心部」と言い放っているので、若干不穏な繁華街というイメージはしっかり持っていると思う。
*7:五輪控えたパリを襲う「トコジラミ・パニック」 真のダメージや必要な対策は - BBCニュース(記事は2023年10月4日に公開されたもの、最終閲覧日2026年3月31日)
*8:パリにあふれるゴミ6千トン 年金改革反対スト、回収ストップ:朝日新聞(記事は2023年3月15日に公開されたもの、最終閲覧日2026年3月31日)
*9:Wikipediaでは「2025年ルーヴル美術館強盗事件」としてまとめられている。仏ルーヴル美術館の宝飾品盗難、犯罪組織ではなく「軽犯罪者による犯行」と検察 - BBCニュース(記事は2025年11月3日のもの、最終閲覧日2026年3月31日)
*10:旧市街エリア 観光地ではあるものの川向かいに国内最大級のスラムがあり、軍か警察かよくわからない感じの制服がデッカイ銃を携行している。
*11:Xユーザーのソラシドさん: 「ナポリってなんかちょっと南米っぽい。裏路地のちょっと緊張感のある感じとか怪しい偽ブランドのカバンとかを売ってる露天商がひしめき合ってるところとか(宿のお兄さんから「細い坂道には入るな」とキツく念を押された) https://t.co/2wAzTHV0j8」 / X(最終閲覧日2026年4月1日)
*12:おそらくアフリカから移動されてきた方々がブルーシートにサッカーのビブスとか雑貨とか革製品とかをずらっと並べて露天商している光景。ブルーシートの四隅の金具には多分紐が通されていて、パトロールが来たからか知りませんが何かの拍子に露天商の群れはブルーシートで製品を包んで背負って担ぎ、ハイスピードで逃げ出していった。見たのは2020年2月頃なので現存する光景かどうかは不明。
*13:ベネチアの水上バスの乗り方と停留所一覧、料金表 | アーモイタリア(最終閲覧日2026年4月9日)
*14:目的地にしたかったボルゲネーゼ美術館とかは入場にあたって事前予約が必要
*15:私がバルセロナで身綺麗な観光客と出会えるスポットに行かなかったというだけの可能性もある。
*16:という感じで記事を書いてたら4月9日を迎えたんですけど、この日朝~昼にかけて二週間の新たな停戦→イスラエルによるヨルダン爆撃→ホルムズ海峡再閉鎖が一連のニュースで流れて来て、なんか……

































































































