メーデー!

旅行関係の備忘録ほか。情報の正確さは保証致しかねます。

ベトナムはホーチミン・クチトンネルツアーに参加したんですがぼくは導かれることに向いていないのかもしれない

 

ベトナムホーチミンシティ)でクチトンネルツアーに参加したんですが、ついてくる日本語可ガイドが「ここは作戦室、攻撃する前とか、ここで話し合いした。じゃ、次イキマショー」という軽い感じの説明に終始してくれていて、ここで粘って「いやもっと喋ってくれよ」と言えばまた違うと思うんですけど僕たち心がガラスだし、もっと喋れっていうか別に説明してほしい訳じゃない。ただ、「次イキマショー」って、ズンズン進むのをやめてほしい。何ならお前だけ、出口で待っててくれていいから。ということを、穏やかに伝える語彙を持たないだけなんですけど、じゃあどうすれば、そこに存在するガイドの圧を感じずに、ゴムの木の林をフリーに歩き回れたのか?ということを考えていきたいと思います。

 

クチトンネルについて

フリー百科事典ウィキペディア(日本語版)2019年2月25日時点によると、「ベトナムホーチミン市クチ県を中心とした、全長200kmの地下トンネルネットワークである。」所謂ベトコンの穴に入れる観光地がここ。

vietnam.navi.com

だいたいこのサイトを見ればわかる。

 

上述のサイトだけでなく、図書館で貸し出しした『地球の歩き方 ベトナム』(2018-2019年度版)等にもあるように、旅行会社催行のツアー或いは車をチャーターしていくのが良いと書かれている。

現時点でベトナムに公共交通機関としての地下鉄というサービスは存在しない。

ベンタイン市場付近から出ているバスターミナルからクチまで行くことは可能らしいが、そもそもバスが何かベトナム語しか通じないらしいし、今回は我々、ベンタイン市場から徒歩一分程度の所のホテルに宿泊していたんですが、市場からショッピングで話題のドンコイ通りまでを結ぶレロイ通りが、ジャイカさんの何か援助かアレで大工事してるわ、そういう訳で工事中で、ちょっと道幅の狭くなっているところはあるがまあ十分に大通りなそこを、ゴンズイ玉ですか?っていう密度で迫りくるバイクとか、その只中に迷惑そうな表情で取り残されつつ、毎秒五ミリ程度のスピードでジリジリ進む地元民とか見てると、「さぁバスターミナルを探そう!」という気力すら失せてしまって、一週間以上の滞在が可能なら、もうちょっと気力とか何かあると思うんですけど、数日ちょっとの滞在だと、太陽の熱気と人いきれに充満する人間の生命臭とに圧倒されて終了する。

 

我々はどういった経緯で当該ツアーに参加したか

ところで穴があったら入りたい我々一行、取り敢えずガイドブックとかネットの情報をうのみにしてツアーを申し込むことにしたんですが、

 

①混載ツアー(メリット:安い/デメリット:他の人間と団体にならなければいけない)
②専用ツアー(メリット:①と同じ価格・プライベート)
③専用ツアー(メリット:プライベート/デメリット:①②より高い)

この三択に行き当たった。

見たところメリットしかない②を選択するところかなと思ったんですが、②のクチコミの中に「ゆっくり見て回りたいから貸し切りにしたのに、ガイドに急かされて無意味だった」という内容のクチコミがあったため、念のため③に切り替えて予約をした。

 

実際のツアー行程

専用ツアーになると1区のホテルは割とどこにでも迎えに来てくれる感じでホテル下よりピックアップされ一路クチへ。行程最終日だったため割と時間を持て余しているというような話をすると、ホーチミン郊外、クチから車で半時間程度のところに位置しているらしい漆絵の工房に連れていかれた。工房にて労働するタメのベトナム人女性に連れられ見学。

道中車窓より現地の墓が見え興奮。ガイドは「田舎では土葬にする」と言っていた。またクチ付近のゴムの木の林を通行中、「この道を真っ直ぐ行くと30分くらいでカンボジアに入る」と言っていた。恐らく希望するとアンコールとのセットツアーが発生するんじゃないかという雰囲気があったものの、そこまでの時間的猶予は無かった為敢えてそれ以上の言及はしなかった。

クチトンネルに着くとガイドに連れられ入場、チケットはツアー代に含まれているためチケットセンターを通過し腕にシールを張られる。入場後藁ぶき屋根の半地下小屋にてプロパガンダ映画を視聴。半地下の小屋は複数あり、恐らく上映言語ごとに分かれている。我々はガイドによって日本語の小屋に案内された。

このプロパガンダ映画というかクチトンネルそのもの、所謂「勝った戦争」の事績について紹介する博物館のテンションは高いのではないかというのは同行者の談だが、本当にテンションが高かった。

のどかな村にて暮らすクチの人々を襲う鬼のようなアメリカ兵(原文ママ)を倒す我らがゲリラ兵!小さな体に燃える闘志で勇敢にアメリカ兵をばったばったとなぎ倒す!キャーッ!カッコイイ!!戦局が変化し爆撃が激化するようになってからの彼らは地下に生活を移し、炊事や余暇、休憩などしっかりと日常の暮らしを続けた(ここで一行「余暇は重要」と独り言ちる言葉が重なる)。悪のアメリカがどんなに人々の暮らしを壊そうとたくらもうと、平和を願う我々は決して屈せず、勝利したのであった……FIN!

絵に描いたようなテンションの高さに一行(二名のみ)拍手喝采

なお、ネットサーフィンしてる感じだとクチトンネルとセットで語られている戦争証跡博物館も、同じくベトナム戦争(+インドシナ戦争)をテーマにした博物館なんですが、こちらはクチトンネルからそのまま来るとグッピーが死ぬ勢いのテンション格差があります。恐らくここのメインテーマとしては平和学習。我々は別日の午前中から訪れましたが、現地の制服を着た感じの集団が出たり入ったりしていたので、実際平和学習のカリキュラムとして組まれてんのかなって感じ、展示としては写真がメイン。

そしてこの両者の間のテンションにある博物館としては、ホーチミン市博物館があるかなという感じです。

テンション一覧としては、

クチトンネル「鬼畜アメリカに大勝利祖国正義!!!!!!」>>(壁)>>ホーチミン市博物館「こうして俺達は独立と平和を勝ち取ったぜ✌✌✌社会主義サイコー!!!!!!」>>(結構厚い壁)>>戦争証跡博物館「平和学習」

これぐらい。

またこれらの亜種として統一会堂(南ベトナム共和国時代の大統領官邸として使われた建物)があります。「吉」の文字を模るように作られたとかここで迎賓が行われたとかいう落ち着きテンションのキャプションに、突如防空壕とか地下道(ホーチミン市博物館まで繋がっているらしい……?)、戦車(ここに北側の戦車がブッコムことでベトナム戦争終結した)とかが入って来る。それにしてもプノンペンの博物館とかもそうなんですけど、東南アジアの博物館って、なんだか大きな窓から風が通って日差しが遮られて綺麗で、心地が良いですね。例外としてシェムリアップのアンコール系の博物館はお金持ってんな!!って感じで、気密性バツグンクーラーガンガン!って感じでしたが。まぁそれはそれで。


プロパガンダ映画を視聴した後は実際にゲリラが使っていたトンネルや集会所、塹壕などの実地見聞に入りますが、颯爽と歩くガイドが二、三言「みりゃわかる」としか言いようのない説明を加えて去っていくのを尻目に、欧米系団体客のガイドが落とし穴の仕組みやブービートラップの構造について英語で解説しているのを暫く聞いたり等、えっ、これどこに金を落とす構造になるんだ。この空間に存在しているっていう時点で割とまぁ良いっちゃ良いんですけど、どうせならAK47について異様な熱量で説明してる団体英語ガイドの所に混ざって説明聞いてそっちにお金落とした方が有意義では……こちとら時間あるし……あっなんかすごいスピードで我々のガイド先に進んでるわ……別に、そんな日本語ガイドじゃなきゃヤダって訳でもないし……勝手に喋るスピーカーみたいな英語ガイドでいいから……だれかいないかな……

そうこうしている内にガイドにつられスタスタ進み、ベトコンの穴体験(10m、40m、60m、100mとあり、ガイドは「60m以上はアツイから40mがオススメ」と40mを強く推していた。実際体育座りとか地べたに正座とかしないだろう欧米人的にはなんか狭いし有り得ない感じだと思うんですが、地べたに正座とかするし体育でうさぎ飛びとかやらされていた1hydeに満たない女性アバターだと結構「あ、いけるな」という感じがする穴だった。でもこの中銃背負って全力疾走は端的にやべぇなと思う)を過ぎ、暫く道なりに進んでいくと、追加料金でマシンガンの試し打ちが出来る土産物エリアに出ます。

なんか順路の逆流は出来ない?らしい(ガイドがそういった)ので、追加料金で試し打ちをする場合は、ここで覚悟を決める必要があります。AK47となんかもう一種類から選んで、銃を撃てるという人生オプションの発生。それにしても、射撃場エリアに近づくにつれ「パン! パン!」ぐらいの音が「タァン! タァン!」に変わり、エリア看板が視認できるぐらいになると(入り口に国民なんたらかんたら射撃演習場というような標識がベトナム語/英語/繁体字で表示されている)「ガァン!!!!!!!ッパァン!!!!!パタタタ!!!!!」という音が五臓六腑に響き始める。かくいう私は追加料金で銃を撃つ気がわりとあり、同行者がそれを余り好かないであろうことを知りながらそこに居座る気があったんですけど、え、銃を撃つってことは、既になんか腹にぐっちゃぐちゃに響いているこの銃声の源に、さらに近づかなければ、いけない? いや耳栓するでしょうけど、耳栓ってどこで渡してくれるの嫌だなんか余りにも本能が「こらアカンで」って言ってくる感じの音がしている。幸いにも私、銃声が響くような場所で生活をした経験はないが、銃声、スゲー不愉快。液晶越しで聞いている音とはワケが違う超迫力の立体音響、何ならそこで撃ち方始めてる。

「日本円で3000円ぐらいで撃てます。ベトナムドンだと80万ドン(あんまり聞き取れてない)ぐらい やりますか?」

ここで「人生オプションで銃を撃たなくて済むのはかえって特権階級なのでは????」という謎論理が脳を駆け巡り始めた。実際やってみたら楽しいこともあると思うし、それを実際やってみたら楽しい人もいるだろうけど、やってみても自分には向いてないってわかるだけのことも結構あるし、ほら、サークル参加みたいに……私はガイドの誘いに首を横に振って辞退した。


その後のツアーでは蒸したタロイモ(ゲリラの主食だったらしい)を食べられますが、割とマジで普通にふかしイモで、タロイモに対してかつて鼎泰豐で食べたタロイモ餡小籠包(ほんのり甘くてなめらか)のイメージしかなかった私は普通に「ただのイモじゃん……」というテンションの下がり方をした。一緒に出て来た中国茶が中々美味しかった(喉が渇いていた)。しかしなんか、二人参加で一皿しかタロイモ出てこないし、ガイドがもりもり食ってるなと腹減ってんのかなこいつ思っていたら途中でガイドが中座して、もう一皿イモを持ってきた。ありがとう。小皿にもりもりのイモをもたもた食べていると、イモを食べることに飽いたらしいガイドがスマホから顔を上げ「袋あったら詰めて持って帰れますよ!」と提案。いいです、食べきります。

その後特に解説もなくのしのしと雑木林をウォーキングし、ホーチミンが祀られている立派な廟なんだか祠なんだかの前を通過し土産物を買って(射撃エリアの土産物はろくすっぽ見なかったが、クチトンネルの出入り口にある土産物屋で買える、米軍のライターとか銃弾ストラップとか、タイヤで作った曰く10年は壊れないらしいサンダルとか、その他クチトンネル!という主張が強い土産はほんの一角で、後は統一会堂の最上階とかドンコイ通りとかで買える感じの土産と同一のラインナップだった)、行程終了、車に戻る。

 

不満点というにはアレなんだが

日本語可ガイド!専用でゆったり回れる!という割には説明あっさりだし、ガイドもあっさりだったなぁという感想でした。
ただ当該サイトのクチコミを見る感じだと、ハズレの人とアタリの人居る感じなので、これはガイドの差なのか……?という感じがする。それなら当該サイトの口コミに書いた方がタメになるのでは?

ただ、そのクチコミを参考に「はずれだった」というクチコミの無かった少しお高めの専用ツアーにして、満を持してハズレ、引いたな……? いや、こちらのコミュ力が無かったというのも多少ありそうですけど……だってガイドと喋ること、無くない……?

 

どうすればよかったのか

いや、こちらのコミュ力が無かったというのも多少ありそうですけど……だってガイドと喋ること、無くない……?


ハイ上述のココなんですが

今回車のチャーター&ガイドで、結局ガイドに言われて運転手にチップをはずんでいるんです(まぁ頼んでない漆絵の寄り道とこちらは頼んだ感じのあるスーパーの寄り道をさせているのでそれはいいんですが)。

ただガイドと喋ること、無くない?とか、ガイドの指示の圧に負けてしまいがち、かつ、ガイドの説明以上に現地の塹壕とかに入っちゃって、その目線を確かめたりしたくなっちゃう一行の行動を考えるにつけ、これ、ほんと、ガイドに金払わなくてええやん、マジ、車のチャーターだけでよかったな?というのを、しみじみ思った。

しかしタクシーのチャーターとかクソ難易度高くなるので、なんかこう、クチトンネルツアー!じゃなくて、ドライバーと車だけチャーターできるホーチミン現地ツアープランみたいなのを探して申し込んで、行き先としてクチトンネルを指定したりしても良かったなと思った。

それか、そもそも専用ツアーのガイドとそんなに話さなかったことで消極的印象を持たれたというか、わざわざツアーに来てんだぞ金払ってしっかり腹から声だして説明しろやと思わなくもないがそれは兎も角、無口な我々を見たガイドの心証的に「あんま興味ないかな」「急いでんのかな」みたいに、思われたのかもしれない。それを踏まえると、各客のオーラに逐一合わせていく専用プライベートプランでなく、複数の客に一斉に情報を提供する混載プランにした方が、かえって良かったかもしれない。断片的にしか聞いてないんだけど、同じ空間に時々居た混載英語のツアーのガイドの情報量、凄かったもんな(ただ、混載だとベトコンの穴体験でゆっくり写真撮影とかは間違いなく出来なかったとも思う)。

 

或いは、旅行雑誌やネットではツアー利用を推奨されていたんですが、実際調べる心の猶予や時間があればある程度調べを着けて、自力でバスで行った方が(ガイドと喋ることないじゃんと言い放ってしまう人間には)適していたんだと思う。これは以前の北欧とか南米旅行とかでも感じたことなんですけど、ぶっちゃけツアーで申し込んで一式手筈を整えて貰った方が結果安価だったりすることが多いけれども、己の行動パターン的にどうしてもガイドの存在に圧を感じたりガイドの意図する通りに動けなかったり、或いは過剰にガイドの意図する所に沿ってしまって動いてしまう傾向があるなと思い、今危ない地帯とかに行くとかでないのであれば、どうせなら渡航費+αで自由を買うべきだったかもしれない。そもそも旅行で自由を買うというのも珍妙な話ですけどね。一か月ぐらい休暇をぶち抜かせろ。ここではないどこかへ行くんだ。


というようなことを考えながら改めてネットサーフィンしてたら、バス旅行したぜっていう記録、WWW(ワールドワイドウェブ)に結構ありました。

tabi-taka.com

myplan.hatenablog.com

 

巨大な寺とかイイナァ~~~~~見たい~~~~~~と思ったので事前の調べと心の余裕があればこっちでも良かったかなと思った次第。

 

 

輝ける闇 (新潮文庫)

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