メーデー!

旅行関係の備忘録ほか。情報の正確さは保証致しかねます。

コペンハーゲンヤバイ

 
マジヤバイ
 
フィヨルド観光列車乗り損なって山間の闇のなかひっそりと佇んでいたとか、オスロでほぼ飛行機乗り損なったとか、オールボーとかいうデンマークのワンオブ地方都市でいろいろな覚悟を迫られたとか、色々あるけど、なんかもう、コペンハーゲンが群を抜いた最大瞬間風速でわたしを吹き飛ばしてる。まだコペンハーゲン降りて一時間か二時間そこらなんですけど、コペンハーゲンヤバイよ、マジヤバイ。
 
まず広い。飛行機が着陸して荷物が出てくるところまで暫く歩かされるのは値段の安さで飛行機選んでるユーザーとしてはよくあるんだけど、荷物にたどり着かず一度道に迷った。
わたし、これまでいろんな道さ迷ってきたけど、空港の荷物のベルトコンベアまでで道に迷ったのはじめて。まぁ、途中トイレいったのはあるかもだけど、でもそれにしたってさ、普通一本道でしょ。降り口から荷物の回転寿司エリアまでさ、でも、コペンハーゲンカストラップ空港は違う。なんか離陸と着陸の制限エリアが合流してるのかどうかほんとさっぱり知らんけど、とにかく荷物回転寿司までのところに、めちゃめちゃ店がある。なに?ここ、ショッピングモールか?店構えの雰囲気的には、ららぽーとなんですけど。
 
で、空港から市内まで。なんか知らんけどデンマーク王国の首都コペンハーゲンはハチャメチャに国境付近にあるので、うかうか電車に乗ると隣国スウェーデン王国第三の都市マルメに輸送される。気を抜いてはいけない。闘争は常に続いているのだ。まぁとにかく、なんかメトロとかトレインとか書いてある看板の指示にしたがって歩いてくんだけど、そうしているとやがて行き着くチケット売り場(そこにはチケットの自販機がたくさんある。おたおた困ってるとチケット自販機エリアをうろついている赤いベストの係員が助けてくれる)の機械とか見ると、いろいろ選ぶとこあるんだけど、画面下部のショートカットメニューに「コペンハーゲン中央駅行き」とならんで、「マルメ駅行き」がある。空港があるのはなんか島?なんですけど、そこからオーレスンリンクという橋を渡るともうスウェーデンに入る。国境~~~国境氏~~~ちかいよ~~~~(只今文字列が乱れております。暫くそのままでお待ち下さい。)
 
お待たせしました。
 
で、だ。
コペンハーゲン国際空港からコペンハーゲン中央駅行きの電車は、聞いたところによると「Track2(たぶん二番線)」から出てる電車らしい。というか、二番線からでる電車でした。コペンハーゲン中央駅を最終目的地にしている電車が全てではないが、空港の二番線に立ち寄る電車は何にのってもコペンハーゲン中央駅に辿り着くと赤ベストは言っていた。わたしの到着した時間による可能性もあるのでそこは各自調べてほしい。なお電車についての詳細は以下のページを参考にしてわたしはコペンハーゲン中央駅に到達しました。
 
 
で、電車なんですけど、わたし切符売り場からプラットホームまでもわりと迷って、切符売り場にいる赤ベストパーソンに質問したんです。まぁ、わたしが道に迷いがちっていうのもあるんですけど、だって、まさかTrainのピクトグラムにどう見ても汽車の絵が採用されてるって思わなくて、Track1と2があってどっちにもなんか汽車の絵がついてるんですけど、煙突からなんかもくもく立ち上っててなに?機関車トーマス?みたいな。実際にプラットホームにはいってきたのは、新幹線[オルタ]みたいな、とにかく黒い新幹線でした。
ピクトグラムを見たとき、正直一瞬迷った。えっ、これ汽車か?MetroじゃなくてTrain(メトロでいくと乗り換えが必要なのだ)って頭に叩き込んできたけど、で、何?あの汽車の絵文字、新種のトランスポーテーション?みたいな。
コペンハーゲンヤバイ。想像を軽く凌駕してくる。マジヤバイ。トレインに汽車の絵文字つけてくるんだよ?嘘でしょだって、オメー絶対国際空港つくってそこにトレイン通したときさ、もしかすると確かにあの新幹線オルタではなかったかもしれないけどさ、汽車はまぁ、嘘とは言わないけどさ、さすがに遡りすぎでしょ。産業革命かよ。
 
それでもまぁなんとか頑張って乗って、旅行をはじめてから初めて有効な切符持ってるか確認されて、あーっ、都市!っていうか、大陸に近いんだなぁ、ヨーロッパ大陸、フッフゥ!って、思ったりするわけですよ。そんで小一時間で到着するコペンハーゲン中央駅、コペンハーゲン中央駅ヤバイ。何がヤバイって、駅前に遊園地ある。あーっ、チボリ公園、そこにあんの?みたいな。いまクリスマスシーズンなので、中央駅前のチボリ公園めっちゃライトアップされてんの。超きらきらしてる。23時までオープンしてるそうです。
 
なんかもう、ヤバイ。
コペンハーゲンって、コペンハーゲンですよ。ネットで調べるとすぐ麻薬とか移民とか出てくる、あのコペンハーゲン。今回のわたしの旅程では、最後にして最大の都市です。いや、同じく首都のオスロのことを悪くいう訳じゃないんですけど、やっぱコペンハーゲンでかい。大陸に近い。人が多い。
で、そのデカコペンハーゲンの中央駅。煉瓦造りの中央駅はなんかもう、古い感じで、雰囲気ムンムンなんですよ。建て直しました!って感じの東京駅とはまるで違う。まぁあれはあれで良いですし、コペンハーゲンと比較して東京駅が悪いって訳じゃないんですけど、コペンハーゲン中央駅には「「「圧」」」がある。そんで、何でか知らんけど全体的に良く言えばムーディー、言ってしまえば薄暗い。ヤバイ。
そんでそのムーディーな薄暗さの中でもみの木にライトアップとかして、ぴっかぴかにしてる。まぁそれはいい。他のところでもなんかピカピカしてたし、と、思いながら出口をとりあえず潜るとね、
 
チボリ。
 
えっと、ここ、舞浜駅かな?
 
いや、チボリ公園の規模?というか、(知らんけど)動員数とか、町のなかでの立ち位置的に、たぶんふさわしい換言は「東京ドームシティ」くらいだと思うんですけど、ぴっかぴかにライトアップされた東京ドームシティが、煉瓦造りで、クリスマスオーナメントが放つ光以外極力絞ってまーす、節電中でーすって感じのいわゆる東京駅の位置にある中央駅の出口出たら、なんかもう道はさんでバーーーーーーンってあるの。ヤバイ。
こちとら一番警戒しないといけない瞬間なんですよ。旅程最終局面市街地到達の観光客とか、カモが自分の羽根むしって鳥肌というか鶏皮に下味つけて、そしてネギ背負って満を持して現れてる感じある。その自覚、わたしにもある。初期は食費から旅費を削ってたもんだから少しでも安く少しでも安く値札を見比べる元気があったけど、正直言って今のわたしにそれは無い。目についた、おいしそうなもん食ってるし、デンマークは北欧諸国の中でも酒類への課税が低い影響かコペンハーゲンがヤバイせいか、とにかくめちゃめちゃビールとかずらって並んでるんで、クリスマス限定パッケージっぽい缶ビール買ってる。おいしい。
それにこれまでと違って、あんまり悠長に見比べてたら人とぶつかるし、見比べてたところでもう所謂西欧に近いところの元西側国家の首都なので、どれもこれも概ねおんなじような値段してる。さすが。
そんななかでもさっきまで悪あがきして、ショーウィンドーに入ってるバケット見比べてたりしたら、不意に至近距離に気配を感じ「何奴ッ!!!」て顔をあげたら、なんか、ラリラリハッピーな感じの、山のあなたは空遠くのさいわいを見るような感じの眼差しの浅黒い系あんちゃんが、「良い反応速度だな」って言いたげにニコッというかニタッとして、離れていったんですよ。「良い反応速度だな」って。
 
 
一番気を抜いちゃいけないところなんですけど、出口潜ると、道はさんでなんか、もう、ディズニーランドがあるんですよ。
もう気を抜くとかそれどころじゃない、浮かれる。
一番気を抜いちゃいけないところで、浮かれる。
これ、もうちょっとなんとか出来なかった?ほんと、道路はさんで目の前が、政府機関とか商業施設とかバスターミナルとかそういうんじゃなくて、冗談じゃなくマジ、チボリ公園。遊園地あんの、駅のマジ真ん前に、キラキラオーナメントの。冗談かよって、夢で見てんのかな?みたいな、キラキラ。
 
コペンハーゲンという圧倒的な現実が、わたしの既成観念を破壊していく。
 
最後にいまのわたしは、シティホテルネボという中央駅裏のホテルっていうか、なんか留学してたときの現地びとから哀れまれる設備だった寮をちょっと思い出す(寮より綺麗で明るいし暖かい、無線インターネットもある)空間に佇んでいて、外からは愉快な鐘の音が聞こえるんですが、このホテルのあるエリア・コペンハーゲン中央駅裏について紹介したいと思います。
この駅裏エリア、コペンハーゲン中央駅から各々ホテルまでで検索すると徒歩一分とかいう、いかにもコペンハーゲン中央駅は駅裏に続く出口もってますよ~って感じの検索結果出してくるんですけど、現時点の検証結果として、コペンハーゲン中央駅にはそういう駅裏に繋がる出口はないです。別に工事してる風もないので、たぶんGoogleマップが見せてるのは幻かなにかだと思います。観光客を幻惑して食うタイプの。
 
実際、確かに駅から五分かからずに着くんですけど、五分かからず駅からホテルに着くためには、コペンハーゲン中央駅の、チボリ公園じゃない方の横道のささやかな出口から、薄暗いながらオーナメントのおかげでムーディーな雰囲気の駅から出てきたあとということもあって、もう寒々と薄暗い駐輪場を突っ切る必要があって、そうすると三分くらいで駅裏ホテルエリアに突入します。初見でそんな道通らねぇよ。
 
でもまぁ、結果としては今回のホテル、やっぱダントツで近いしそんなに迷わなかったのでよかったです。たぶん空港からホテルチェックインまでのRTAで自己ベスト出してると思う。窓の向こうではなんか戦隊ロボが合体変身するときみたいなウィーーーーンガシャガシャみたいな音を放ったあと、パトカーのサイレンが爆音で響いたかと思うと走り去った。ホテルの部屋にあるテレビでは、デンマーク版警察24時みたいな番組が流れている。顔をモザイクで塗り潰された容疑者が、誰も声を荒げないからびっくりですね。コペンハーゲンとかいう意味不明な現実が、わたしの想定を片っ端からぶっ潰していく。コペンハーゲンロードローラーで整地された瓦礫の山のなかに、わたしは息を殺しながらひっそりと佇んでいる。現場からは以上です。
 
 

ノリでベルゲンカードを買うべきではない10の理由(The 10 Reason Why We Should NOT Buy Bergen Card WITHOUT THINKING.)

 
ベルゲンカードというものがありまして
 
他にヘルシンキカードとかオスロカード(オスロパスだっけ)とかコペンハーゲンカード?とかタリンカードとか、とにかくなんかそれ一枚買っとけば対象の博物館とか美術館とか市内の公共交通機関とかが無料になったり、対象のショップでの買い物やレストランでの飲食に5%~20%くらい割引になったりするカードで、たぶん物価高めのヨーロッパ諸国にあるんじゃないかなって感じで、ゲンミツにわたしの知る限りでは、自己申告北欧(エストニアのことだ)含め北欧諸国ではわりと見る感じで、24時間/48時間/72時間とか時間制で、その間使えるカードなんですけど、わたしいま(2018年12月6日現在)ベルゲンにいまして、ベルゲンカードを買ったんですね。なおベルゲンカードは公式サイトで購入できます。学生証持ちの身分で一定年齢以下の人間は70歳以上のシニア料金と同等、「学生料金」で購入できます。
ところでわたし国外の習慣を安易に日本に持ち込むべきという発言嫌いなんですけど、それを踏まえた上でも、この学生料金システム、日本に持ち込んでほしい。博物館とか美術館とか、学生証持ち込みでシニアと同じ値段にしてくれ。現在の現役シニアは生きてれば年金貰えるらしいけど、学生はただ生きてるだけじゃなんも貰えないんだぞ。学費払って既に赤字の無産市民から、これ以上何をむしりとろうというのか。
 
それはさておき
 
ベルゲンカード(24時間)を買って、きょう使った訳ですが、あとは表題の通りです。
 
1.ハンザ博物館が改装中
ところでこの怪文書を読んでる人はベルゲン、ご存じです?
わたしは空港の係員さんに「最終目的地は……バーゲン?……バ、バーゲンでよろしいですね?」と言われてしまい、続いてキャビンアテンダントさんに「どちらに行かれるんですか?」って話の種として聞かれてしまったので素直に最終目的地をお答えしたら「ベ、ベルゲン?」って言われてしまって、到着前からもしかするとベルゲンってバリクソマイナー都市なんじゃないかと戦々恐々としたんですが、一応弁明(?)させて頂くとその、世界遺産が、あります。
ベルゲン、ノルウェー第二(たぶん)の都市(19世紀まではノルウェー最大の都市だったらしい)、フィヨルドの入り口、この辺りから考えるにどっちかというと、(ノルウェーのなかでは)観光メジャー都市です。日本の高校で学ばれる世界史Bでも、ハンザ同盟した四大都市のうちの一つとして教科書太字になってでてくるメジャー都市ベルゲン、但し観光シーズンは夏!!!!!!!!いまは12月。
悲劇の始まりってだいたいここからじゃない?っていう勢いで「冬のベルゲン」はいたるところのアクティビティ閉まりまくりなので、これから冬にベルゲンに行かれる方はほんと、ノリでベルゲンカードを購入せず、ちゃんと目的地が開いてるかどうか確かめてください。ひとえにそれだけのことをこれから10に項目立てしていきますので、よろしくおねがいします。
 
で、第一の理由なんですけど、現在ハンザ博物館、閉館中です。2018年10月1日から12月31日までリノベーションのため、閉館。
 
いや事前に調べれば普通回避できるでしょって感じなんですけど、弁明するとするとわたし夏(9月)のヘルシンキカードを使い倒した記憶があって、カードものってなんか買っときゃだいたい得やろ!みたいな思い込みが正直あった。あとは旅行を(それこそノリで)決めちゃってから旅行開始直前まで、ベルゲンについて調べてる場合じゃないアホの作ったお祭りスケジュール状態だったのもあると思う。反省しろ。
 
 
2.そもそも冬季はベルゲンの観光シーズンじゃない
これもう早速さっき書いたことの蒸し返しなんですけど、ベルゲンのシーズンは夏です。日本で言う軽井沢みたいなところです。いや、これは完全にわたしのなかの貧困なイメージなんですけど、テニスとか、登山とか、そんな感じのアクティビティがウリの場所。ベルゲンではそれが、登山とかフィヨルドツアーとかなんですけど、とにかく観光のハイシーズンは、夏。
なのでミュージアムとか教会とか、夏場は9時10時から少なくとも16時17時まで開いていて、まぁこれは日本のミュージアムとか寺と同じようなもんだなって感じなんですけど、これが冬になると当然のようにClosedしてるので、カードがあってもまぁこれも当然なんですけど入れません。開けてくれないし。いま手元にある観光案内所からもらってきたベルゲン案内に掲載されてる、セイントメアリーズチャーチとかグリーク博物館とか、冬場は閉まってます。
あと閉まってなくてもここは日の出が9時………?みたいな午前中だいたい薄暗い世界線なので、そのせいかはわかりませんが冬場の博物館の開館時間はだいたい11時から15時です。4時間。あと土日しか開いてないところもあります、ありました。
 
 
3.ベルゲン市内の移動手段との兼ね合い
ベルゲンカードを買うと有効時間中Light Railway(ベルゲン空港からベルゲン市内中心部と思われる公園付近まで走ってるトラム)や、市内を走るバスが無料になります。が、ベルゲン市内は正直徒歩でなんとかなる。わたしが購入したガイドブックは紹介がオスロメインというのもあるんですが、ベルゲン市内の移動について記載がなかった。Googleマップで各地の距離感を確認し、「まぁだいたい徒歩で事足りるだろう」とベルゲン未踏のわたしは判断したし、ベルゲンのコンクリートを踏んでも足は死にますが、だいたい徒歩で事足りる。
参考までに実際に歩いた感覚として、「迷わなければ」ベルゲン駅(小さい鉄道駅)からブリッケンまで、だいたい10分でつきます。
ベルゲン駅からベルゲン市街中心と思われるByparken(トラムの駅、以下バイパルケン)まで五分(駅前の交差点を渡ってそのまま進むとはいれる湖周辺の公園を抜けていく)、バイパルケンに隣接する公園からブリッケンまで三分から五分。わたしは今朝この法則、というのは、ベルゲン駅前の細目の道を直進して公園を抜ける技なんですが、これを理解していなかったために、ハチャメチャに迷ってブリッケンでなければ観光案内所もないなんかよくわからんガチの港に出ました。未だにあそこがどこなのか謎。少なくとも観光向けじゃない雰囲気はムンムンしてた。
 
で、とりあえずベルゲン市街地はだいたい徒歩で事足りるし、徒歩移動を前提としたガイドブックで思考を養っていると、バスに乗れないんですね。乗り方わかんないし。トラムですら英語アナウンスないのに(意外と無い)。それに、端からバスに乗らないとどうしたってたどり着かなそうな博物館とかは、最初から予定から除外してしまっているし。例えばBergen Marintime Museumとか、正直関心のかたまりなんですけど、若干市街から離れていて除外した場所でした。あとなんか、戦争系の博物館おおむね市街から離れたところにあるので、がんばってそこにいってしまうと、他の博物館が空いているうちに戻れなくなるという思考もあった。
後夜祭ですがネットで調べたらバスの乗り方解説してくれてるページありましたので、過去のわたしに紹介する気持ちでリンク張りますね
 
 
ちなみに、夏場は博物館間を往復してくれる観光客向けバスがあるので夏場!夏場はそれでどうぞ!(冬場もやってるのかどうかは見なかったんですけど、なんかインフォメーションセンターでチラシがなかったのでたぶんあんまり本数はないかそもそも出てないかかなぁと思います、知らんけど。) 
 
 
4.ブリッケン博物館が閉まってる
2018年9月3日から2019年5月1日まで改装工事してるそうです。ていうか、してた。一度にガタ来すぎでしょ。ハンザかブリッケンどっちか開けてくれよ。
 
 
5.ホーコン王の館が閉まってる
これはなんでかわからん。ここはベルゲンについてからおーおー色々閉まってるやんけと思いつつ調べて選んだ行き先だったんですけど、なんか、閉まってた。なんで?
 
つつがなくホーコン王の館に入れた場合の体験記がネットにあったのでリンクを張ります。この体験記も12月ベルゲン入り体験記なので冬場閉まってる博物館じゃないと思うんですけど、まじでなんで?
 
 
 
6.道に迷う
まじで。
これまでわたしも関心のある人並みに世界遺産系のものは見てきたんですけど、冬場のブリッケン、四半世紀近く生きてきて初の「閑散とした世界遺産」。別に空港からいきづらい訳でもないのに、10時にブリッケン行ったら、夜行バスから降りて直行したときの朝5時6時の伏見稲荷ぐらい人がいない。そのあと11時頃からじんわりと人数増えるんですけど、ほんと、じんわりと。なので人が増えてもなんか、道とか、ぜんぜん広がって歩ける。いまわたし一人なので、大手振って歩いた。たぶんダブルラリアットできる。空、飛べる。
話を戻しますと、ブリッケンからフロイエン山に向かう斜面をこう上るとセイントメアリーズチャーチとかなんとか、観光客収容系の施設があるはずなんですけど、なんか道がいりくんでてよくわかんない。ていうか、どこが入り口なの?ブリッケン地区に限らずわたし、ベルゲンに来てから建物の近くに陣取り、まずその辺を一周して、毎回入り口を探している気がする。ホーコン王の館とか、結局入り口がわかんないから閉まってるのかあいてんのかわかんなくて、ウロウロウロウロ五週した。追い出された犬かな?同じ方面から歩いてきた観光客女性に聞いてはじめて、入り口の場所となんか閉まってる旨を聞いた。
世界遺産とか露骨にあると、大抵道がなんか整ってたり、観光客が多いところは人だかりでわかるのでそれさえ見てればわりとどこになにがあるかわかったり、観光客がいるエリアにはそこかしこに地図があったりするんですけど、ベルゲンはわりといりくんでて、冬場は観光客がひとところに集るほどいなくて、標識はあっても地図はなくかつ見通しが悪いので、道に迷う人間はかなり迷うと思うし迷った。えっ!?これ入り口なの??関係社用じゃなくて??みたいなのが特にブリッケン周辺の建物には多めです。フロイエン山のケーブルカー入り口とかいうメジャー施設すら、なんか周囲の建物に自然と溶け込んでて注意深く見ていかないとわからない。間違い探しか? 
道がなんかわかりづらいし坂で見通し悪い上にやけに曲がりくねってて、安易に歩いてると即効で迷うので移動にわりと時間がかかるから少ない開館時間中にどれだけエントリーしていけるかっていう話でした。
 
 
で、結局わたしが購入したベルゲンカードを利用した局面は
「フロイエン山へのケーブルカー往復(通常大人95NK)」
「ベルゲン大学付属博物館(通常大人69NK)(あっここは歴史系のCultural History Collectionと自然科学系のNatural History Collectionが併設なんですが、後者がいま現在改装中でした)」
ここまででしめて164NKで、ベルゲンカードの学生料金が205NKで、しめて41NKがドブじゃんあぁあぁあぁあぁってなって歩いていたところで、16:00まで開館してるKODE(ベルゲン美術館)(入館料120NK)の前にたまたま出たので15:00に飛び込んで、収支としては事なきを得たんですが、ほんと、あのときKODEがなかったら、サンドイッチ地面に落としたぐらいの赤字が発生していたので(ここは物価が鬼のように高いところなのでパンに何か挟んである系の食品はだいたい750円くらいする。いまいるホテルから道をわたらずに歩いて二分くらいのところにあるチェーンのスーパーで売ってる素のパンは300円くらい。あと、いま日本でも話題の軽減税率がバチクソ導入済みなので、イートインするともっと高くなる。)、ほんと、KODEと巡りあえてよかったです。というか、ベルゲンカード必勝法、行程に必ずKODEを組み込むことでは?
 
ベルゲンカード、夏場はどう動こうとたぶん元取れるので、ノリで買ってしまっていいんじゃないかと思います。
冬場にノリで買ってしまった人間は、KODEに入館して赤字回避しましょう。なんかクソデカキャンバスとかバンバン出してきて、楽しかったです。
 
以上、ノリでベルゲンカードを買うべきではない6の理由(The 6 Reason Why We Should NOT Buy Bergen Card WITHOUT THINKING.)でした。

旅行の直前って、いつにも増して「突然死」について考えませんか?

 

わかるー!考えるー!(裏声)

 

ハイジャック、飛行機の墜落から始まり空港での置き引き、(今回特に)悪天候による事故遅延運休による足止め、悪意ある第三者、暗がり、治安、押し込み強盗、性的暴行、空港から宿に向かう途中荷物をスられあたふたしてる合間に覚醒剤を打たれて物陰に引きずり込まれるイメージトレーニングをしている。イメージトレーニングというか最早習い性。思考に歯止めがきかないのだ。そういう傾向。

今回、毎度西欧にいきたい西欧にいきたいと言いながらまた北欧(飛行機に二時間のればパリに行けるんだから計画時点でちょっと足を伸ばして、パリ!とか、やればよかったんじゃ?また1から動くよりは安上がりなのに……)に行くんですが、不安がすごい。

人懐っこい性質の文化じゃないというネット情報をもとに、話しかけてきた他人はまずヤバ奴と思っていいとまで思考が固定されつつある。

幸運にもこれまで旅行中に悪意ある第三者と遭遇した経験がない(推定)んですが、「ttttttourist」が鳴き声のホームレスじーさんに睨まれたのフィンランドだし、フィンランド北欧だしな(特殊事例の極端な敷衍)(確かに借りたアパートが見つからず真夜中をさ迷ったHellsinkiでしたけど、沢山の道行く男女が道を教えてくれた上「あんたら学生でしょ安くするよ」とタクシーのあんちゃんがまけてくれたのもフィンランドじゃん)(「わたし英語できないから……」って観光案内所の女性スタッフが逃げたのもフィンランド)(北欧氏~~~!!!)

 

と、いうわけで、

とにかく観光のオンシーズンこと繁忙期とは真逆、氷に閉ざされた異聞帯ゲッテルデメルングの周辺に十時間かけてレイシフトする予定があるんですが、これもほんと身から出たアレでしかないんですけれども、スケジュールをアホが組んだばっかりに直前に発表が大いに重なり三連星、あれがオリオン座かな?っていう具合で、論文の構想を滅多うちにされるマゾプレイ(これこそ身から出たアレだ)にいそしんでいるばっかりに全くそっちの支度が進んでいないし、ヒートテックとか防寒に関する諸々が見当たらず、今回の行脚の標語はこれです。

 

「洗濯しなくても、人間は死なない。」

 

旧日本軍か。物資の問題を精神の問題とすり替えるな。買え。それか小分けの洗剤と可能なら桶、そして出来れば紐と洗濯ばさみをもっていけどうせ荷物そんなに無いんだから。洗濯しろ。なけりゃ服着て風呂はいれ。ラパスのホステル(暖房がない)の専用バスルーム(共用バスルームと隣接している。つまり与えられた個室から離れている)でそれやったスレンダーの鬼こと友人は風邪を引きましたけど。3月のラパス気温五度VS12月の北欧。ファイッッ 

そして今回とうとう付き合ってくれるお友だちがいないというかこなすべきクエストがあるがために完全なフリーツーリストではないことが災いしていて単機掛けなので、流石に北欧でワクワクルーレット★食あたりつき★はないと思うんですけど、運悪く体調を崩したらお陀仏、往路の着空港から復路の発空港まで這ってでも向かう地獄クエスが発生する。金払ってなんでこんな贅沢な苦行してんだ死ね。風邪の市販薬を購入しておいてください(メモ)

 

ちなみにわたしは普段渡航前に現地の語学学習というか、旅行者のための語学学習アプリを入れて学習はせず、切羽詰まったときに代役で喋らせるとかいうコンピューターに支配された子羊然とした行動をとっているんですが、ここではこれまでの渡航先別おすすめアプリをおすすめして記事を終えたいと思います。よし、落としどころが見つかったぞ。

 

 

 

わたしが持ってるのはAndroidなのでAndroidの話しかしませんが、オルキルオト原子力発電所を見学にいった際、「北欧は電子マネー文化が普及しているため現金がなくても問題ないと判断」かつ「最終日が迫っていたため」手持ちが0の同行者&パスポートに挟んだ20ユーロの他手持ちが0のわたしwith英語が通じないタクシー運転手onクレカ支払い機のないタクシーという詰み詰みに詰みを塗り重ねた状況を救った救世主アプリ(メシアプリ)がこちら

こちらのアプリの例文で「おいくらですか」を起動したのち、懐から取りだしたる20ユーロ札を互いに目視で確認。結果から言うとたぶん来客用の施設まで乗せてってもらってしまって、そこからオルキルオトビジターセンター(学習施設)まで徒歩移動!ヘラジカ注意の看板!謎キノコ!地平!森森の森!で全く生きた心地0悪夢なら覚めてくれ状況が発生したんですが、お言葉もクレカも通じない状況から徒歩10分か20分かそこらの距離まで持ち込んだのはなかなかファインプレーだと思うんですよね。自分らをカーリングのストーンにたとえると、もう場外乱闘の距離ですけど、カーリングのコートって45メートルだそうですし、徒歩歩……。

 

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続いてのアプリはこれなんですけど、実際「局地的に英語が片言も通じなくて詰む」というのは(場所を選べば)あんまり発生することのない事案なので、この辺はただこれで数字だけ覚えようとしたし、実際「数字」と「ありがとう」を覚えて使うと現地マンたちの「上手にしゃべるオウムを店頭で見つけたとき」みたいなちょっとしたびっくり驚きおおむね好意な表情を見ることができてハッピーなぐらいです。

なお、数年前のシェムリアップではほぼ英語が通じる&あっちも観光客はクメール語ができないことわかってるのでそう困ることはあまりなかったです。

プノンペンはスーパーとか行くと「えっなにこいつ、英語しゃべってはる……」みたいな顔されますし、ホテル一階の中華料理屋とかいくと「えっ?中国語通じないのになにそのアジア顔は」っていう不思議顔されますけど、ドライバーさえ捕まればおおむねなんとかなります。ハッピー!

 

play.google.com

ヘタリア Axis Powers 旅の会話ブック ロシア編 僕と友達になろうよ!
 

 

で、HAPPY FEWなところにWEしにいく時に使用したアプリ(書籍)がこちらになります。

たぶん探せば他にアプリがあると思うんですけど、私はこれらでスペイン語とロシア語をなんとかしました。

前者で覚えたhombre(オンブル)/mujer(ムヘール)で私は便所の見分けをしましたし

後者で覚えた「グジェー ナホーズィッア トワレーテ」によってグム百貨店でオシッコを漏らす生き恥を回避しました。全部トイレかよお前。いやトイレ大事だろお前。

ところでいまの私、北欧語っていうか、ノルウェー語およびデンマーク語でトイレって言えないし、ヒートテックないし、見る限り最高気温がなんか氷点下割ってるし、雨だし、駄目だ、失禁死、終了。

 

メロスは去る、一人で。

 
【12/20 追記】
以下の記事は11月25日の同人イベント東7ホール某スペースにてライブライティング(?)したものなんですが、案の定というべきか記憶違いがあって何かというと「チェンエクのキリングフィールド」と「S21(ツールスレン)」を脳内で融合し一つの場所として扱ってしまっている。おいやめろどんな地獄だ。
という訳で以下で訂正をします。
 
■チェンエクのキリングフィールド
プノンペン市内から多少離れている(おそらく一時間前後)郊外のチェンエク村にあるキリングフィールド(処刑場)。ヤシの幹で鶏を締める感じで人の首をこうやって処刑していたという音声ガイドをヒヤリングしたのはここ。
プノンペン市内からのスタート地点がどこかにもよると思うんですが、トゥクトゥクで行けるのかなあそこ、いやいけなくはないけど、日差し強いし、途中渋滞とかあるし、ちょっと暑くない……? みたいな印象が残っている。ちなみに私は色々あって口聞きして貰い一日チャーターした車の運転手に連れてってもらった。運転手には「キリングフィールド」で通じた気がする。
(音声ガイドによると)民主カンプチアが崩壊した時点で周辺住民により取り壊されてしまい、今はわりと更地。
駐車場から入り口に入ると大きな供養塔があり、その中にはここで発見された犠牲者の骨が祀られている。
更地とそこにある池???たしか池があったような気がする。とりあえず暫定池の周りに木々を植えたり、解説パネルを順路ごとにたてたり、音声ガイドを聞く用のベンチや小さな屋根つきベンチを作ったりして、それらをぐるっと丸ごとフェンスで区切って、粗造りのちょっとした公園のような形になっている(お金が掛かってるな!という感じのビジターセンターのような箱が入り口付近、順路の最後のあたりにある)が、順路の所々にも供養の碑がある。雨季になると更地からはまだ犠牲者の骨が発見されるのはここ。
トイレがボットン便所(二~三年前時点)
 
■S21(ツールスレン)
プノンペン市内にあるポルポト時代の政治犯収容所(拷問や処刑などを行っていた)。ここでチャーターした車とはぐれて心が何回か死んだ。トゥクトゥク?と口々に言いながらにじり寄って来るトゥクトゥクおじさんがわりといたので、トゥクトゥクで行けるんじゃないかと思う。私は車で行った。元々は学校だったのはこっち。プルメリアが咲いている。
ここではトイレにはいかなかった。しかし校舎脇(たしか校舎が四棟に分かれており、A棟B棟は入り口に近くパネル展示がメインで整備された感じだったが、A棟B棟から一旦出て、さらに順路を進むと現れるC棟D棟のベランダには有刺鉄線が網目状に張られており、ポルポト時代の状態を維持した展示が行われている感じでこう、凄みがある)に、仮設トイレが一個置いてあった気がする(二~三年前時点)
 
以下のライブライティング本文には、上記の二か所の記憶を脳内で混ぜ合わせることで発生した一つの場所として回顧している傾向があります。
 
<以下本文>
 
イベント後半戦、議題はトイレです。
同人イベントに不案内な皆様にご説明致しますと、その他のイベント会場や催事場、遊園地などアミューズメント施設で起こるのと同様、イベント会場では女子トイレが混みます。一般に女性向けと言われるジャンルのオンリーが寄り集まったような会場では男女比実に1:9を越えるので言わずもがな最大サークルはトイレです。生理現象だから仕方ないね。
わたしは生物学的に女性、性自認として残念ながら女性、筋金入りの女でありますが、女性ってトイレの個室で何してるんでしょうね?  ズボン脱いで、用を足して、ズボン履いて、出る。わたしはここまでおよそ一分かからない。大事を成しているのならわかるんですけど、個室入れ違い様に傑作の残り香を感じることって、そうそうない。体調を崩してるとか立てこもらざる得ない状況があることも、用を足すほかのっぴきならない出血の事後処理があることもわかるんですけど、それにしたって、列にならんだ九割がなかなか個室から出てこなくない? マジなにしてんの? これは純粋な疑問としてあるので、もし良かったら教えていただけると嬉しい。女のたしなみとしてトイレで身嗜みをチェックする不文律とかあったらどうしよ、わたしは果たして社会的に女性なのだろうか?
わたしの不安をよそに今回のイベントのトイレも混んでいる。東京、聞くところによると最低気温は6度。水分を摂らぬよう気を付けてはいるが、底冷えするホールの内で冷えた体が尿意を催していた。夏を経て冬の生き方をこれからも忘れるであろう未来のわたし!水を飲まないよう気を付けていても、寒いと人間はオシッコをしたくなります。
 
わたしの記憶のなかで一番強かったトイレはカンボジアプノンペン、ツールスレンの外れにあるトイレです。まず汲み取り式。前任者たちの作り上げてきた合作の気配が足元にムンムン。あと薄暗い。そもそも明かりがないのでなんかこう、木組みの隙間から漏れるささやかな日の光をたよりに、なんとか開きっぱなしの地獄の釜にむかって屈む感じ。
そもそもプノンペン自体があまり観光ルートに組み込まれていない。フリープラン!カンボジアとか探すと、アンコール遺跡郡のあるシェムリアップには大抵寄るんですけど、みんなそこからベトナムに抜ける。たまにタイ。プノンペンからのコース、(三年前に調べた限り)イチ。
三年前に調べたときはラヴィプラスという会社がプノンペンシェムリアップセットツアーフリープラン飛行機宿泊送迎のみの素敵プランを出していてくれたんですけど、一年前そういえばあそこベトナムツアーもやってたよなと思って調べたら、会社、潰れてました。(11/24 19時追記 思い立って確認してみたらラヴィプラス、営業していました。一年前の冬に確認した時「営業を中止しました」といったポップアップが公式サイトに出たんですけど、再開したか見間違えかフェイクサイトだったのでしょう。しかし見たところカンボジア方面のツアーは2018年11月時点では取り扱っていないようです。規模を縮小したのかな……)
 
これも三年前つまり2015年頃の話になりますが、シェムリアップからプノンペンまではバスが出ています。シェムリアップのマーケットとかなんか観光客向けの商売をしている中心街的な一角があるんですけど、そこにいけば、ある。バスで国境を越えるルートとかも色々あるようです。我々はチキったので国内線で移動をしました。いま思えばあの路線はスカイスキャナーとか諸々使って個人でも手配できたかなとおもうんですけど、まぁ、それはそれです。
 
 
プノンペン 観光で検索すると何が出てくるかなと言うと記憶によると王宮、屋内市場の次にツールスレンかなと思っていたのですが、いま調べてみたら一番上にS21が出てきました。プノンペン観光の目玉。なお便所は三年前まで汲み取り式でした。いまはどうかは知りません。
S21は、クメール・ルージュカンボジア共産党支配下カンボジア民主カンボジア)において設けられていた政治犯収容所の暗号名である。(ウィキペディアより)
S21はプノンペン近郊に設けられた政治犯収容所のひとつであり、現在は地名をとってトゥール・スレンと呼ばれています。
政治犯収容所はカンボジア各地に設けられていましたが、S21のように博物館として整備された例はまれで、その多くはいまはジャングルのなかに埋没しつつあると言われています。
S21もクメールルージュによる支配が終わると人々による破壊に晒され、元は学校施設であったコンクリート建築(S21では収容兼拷問施設として使用)は残っているものの、処刑場として使われた区画は更地となり、博物館のルートとして整備された現在も、雨期になる度に人骨が発見されるそうです。
 
ところでなんですが、プルメリアという花、ご存知の方はいますか?
わたしが身をおいている日本の社会的には、ハワイとか南国を象徴するなんかこうハッピーでラグジュアリー、ゴキゲンなフラワーらしいんですが、わたしがプルメリアの花と名前を関連付けて覚えたのはS21でのことでした。
わたしのプルメリアは、「元は学校としてこの建物が使われていた頃から、中庭にこのプルメリアの木がありました。収容所として使われるようになり、人々の苦悶の声をかきけすために大音量で昼夜問わず国民歌が流される中、ヤシの木の幹、鋭い樹皮で鶏の首を絞めるのですが、それと同じように人々が頸動脈を掻ききられ殺されていくなか、常にこのプルメリアはありました。今もプルメリアは、ツールスレン虐殺犯罪博物館で咲いています。」という日本語の音声ガイドから。
ストゥーパを模した慰霊碑の中に納められた大量の人骨につぐ人骨、ヤシの木、犠牲者の収用写真と絶命写真を壁一面に並べたたくさんの部屋、実際に政治犯とされた人々が収用された、教室を板で区切りってつくった沢山のロッカー程度の細さのスペース。トイレはぼっとん便所でしたが、現代に生きる以上、機会があれば一度見るべきではあるかなと思います。
 
プノンペン市内からS21への行き方を以下に紹介し、サークルとしては撤収しようかなと思います。
まずプノンペン市内の移動方法ですが、基本的に公共交通機関はないです。トゥク↑トゥク↑というバイクが引く人力車みたいなものが基本的な足になりますが、特にプノンペンではトゥクトゥクから観光客の荷物をぶんどって抵抗する観光客を引き摺って走るみたいな強靭なひったくりがいるらしいので、多くのサイトはプノンペンでのトゥクトゥク利用を進めていません。トゥクトゥクがお望みの場所に行ってくれるとも限らないし……(強い観光客の方とかバックパッカーの方は事情が別だと思います。自分のスタイルと身の丈に合った移動手段を用いていきたいですね。)
私たちは個人で車をチャーターしました。なんかこう色々あって現地の人に斡旋してもらった的なアレです。多分現地感覚としてはボられたんでしょうけど二人で20ドルだったかそこら。これでおっちゃんの首が飛ぶといけないので諸々ぼやかして曖昧にしておきます。おっちゃん、オレ、約束、守るからよ……ヘヘッ
 
S21はプノンペン市内から小一時間から一時間ほど離れたところにある。トゥクトゥクだろうが個人車だろうが、「ツールスレン(ミュージアム)」と言えばおおむね通じるので、機会があれば是非。
(ここで周囲から撤収の音と、アフターどこにする?的な楽しげな会話が聞こえ始める。わたしは「後でまた来ます!」と言っていたがついに来なかった人間の顔と、そしてカンボジアの強烈な首筋を焼く日差しと、寂しげな笑顔でドルを要求されながら、渋々がま口を開くときのあの感覚を思いながら、尿意を抱えて撤収作業を始めた。)
 
 
<参考>
人類は思い出すべきである。金の他に価値あるものが確かに存在することを、無償のものなど何も存在し得ないことを。 - メーデーhttp://ra927rita1.hatenablog.jp/entry/2016/07/24/230250

おおセリヌンティウス!セリヌンティウスはいずこ!

 
これは投稿用メールアドレスを用いての投稿テストであり、同時に11/24Tokyo Fesからのライブライティングでもある。ライブライティングと言っても投稿完了する頃には最早ライブではないので、何がなんだかといったところだが。

同人イベントに参加せむとて東京ビックサイトへ降り立つと毎回、嫌な動悸がはじまり手指の震えが止まらなくなる。これは買い逃しへの恐怖であったり、買い逃しをするわけにはいかないという緊張であったり、両隣のサークルスペースで行われる他愛もない会話への恐怖であったり、あらゆるフジョシの存在への憎悪であったり、その他諸々である。指を震わせながら隣の合同サークルの新刊事情の会話が聞こえてくる。怖い。誰かここから助けてくれ。
これまで何回かイベントに参加していて、毎回もはやこれまでと思っている。しかし直近のイベントではわたしには売り子がいた。現実の知人である彼女らに生き恥を晒しながら参加するサークルは救いだった。いま横のサークル同士が「○○さんの新刊タイトルも絵もエッチだし最高!」という話で盛り上がっている。こわい。フジョシらの存在を自らへの威圧として感じるべきではない。理性は「怯えても仕方がない」「怯えるべきではない」とわたしを必死でなだめているが、そういう問題ではない。脳を介さない迫害への恐怖がここにある。
存在を許されていないことへの怯え。しかしそもそもフジョシらからすれば存在を「認知していない」のだから許す許さないの問題ではないし、参加の許可はフジョシの許しではなく参加料の支払いによって下されるものだ。頭ではわかっている。頭ではわかっているのだ。
 
話を戻そう。直近のイベントでわたしは現実の知人(「どうじんし」という言葉を聞いたことがあるレベル)に売り子を頼んだ。救いだった。存在することの恐怖に苛まれるわたしをよそに彼女らは存在し、そこでわたしを個人として認識した上で普段通り会話をしてくれるのだ。救いだ。
海外旅行中一蓮托生となる同伴者との関係性は旅行中にさまざまな色合いを見せるが、それにしたって道に迷って迷いこんだ路地裏、酔っ払ったスコットランド人男性複数がハイヒールを鳴らして歩く女性一人に絡んでいるのを目撃したときだとか、マンチェスター市内から郊外へ向かっていくバスの中、テロの記憶がまだ新しい時分にブルカを着用した男性が乗車してきたとき(明らかに偏見だ)だとか、とにかく誰か、「わたしにそう悪感情を抱いていない」「身元のはっきりした人間」がいることが、もうだめだ誰か助けてくれ嫌だ!!!!!!ここからいますぐ出してくれ!!!!!いやだ!!!!!!!助けてくれ!!!!!!
 
(中断)
 
目当てのものを粗方購入して人心地がついた。未だに指は震えているし、買い物をしていて何度か小銭を取り落とした。開始10分で目当ての新刊がひとつ売り切れていた。取り置きを頼んだことを忘れて普通に購入した。隣接スペースから差し入れを頂いてしまった。顔をあげられないしもちろん返礼の品も用意していない。それを詫びることもできずに俯きつつひたすらに頭を下げている。無…………消え去りたい……
相手に対してわたしの存在が申し訳ないというより、とにもかくにも恐ろしいのである。この恐怖を何に例えればいいのだろうか。こわい…………と思いながら座っていたら、頒布物目当てに来てくださった方からなんか金色チョコの小箱を頂いてしまった。
「えっ!?頂いていいんですか!?ありがとうございます!!」
人間に対する恐怖のあまり縮こまっていた社交や明るさがひょっこりと顔を覗かせ、喜びの声が出た。クソ現金で都合の良い恐怖である。
 
11時が近付くと流石に最低限は買い込んだこともあり、このあたりから段々と落ち着いてくる。存在が恐怖とかなんかもうそんなことよりも椅子があることが有り難い。椅子に座り心を沈めてメール投稿テストのための文章を打ち込んでいる。スマホをしているときだけは心がひどく穏やかで、静かだ………良いじゃないか、オレは静かなのが好きなんだ。
思えば9時頃にはイベント、南米よりも怖いとか言ってましたけど、そうでもないのかもしれない。別に荷物放置してたら丸々なくなるとか、ないし。
わたしが南米大陸に上陸したのは、三月のことだ。ヒューストン経由でペルーはリマ、ホルヘチャベス空港に降り立った。
搭乗前は南米の飛行機事故の記述について調べ、ウィキペディアの記事などを見、万一アマゾン地帯に不時着ないし墜落して残念ながら意識を保ってしまっている場合は、川を探す。川の流れに沿って進む……といったシミュレーションを続けていた。ちなみにホルヘチャベス空港のネーミングの由来となったホルヘ・チャベスというのは、航空黎明期に活動したフランス出身(ペルー系フランス人)のパイロット。アルプス越えの飛行に挑戦し、着陸寸前に墜落し事故死した。(Wikipediaより)
……いや、素晴らしい人なのはわかるんですけど、いや…………墜落……………いやいや……………
 
我々がホルヘチャベス空港に降り立ったのは深夜だった。到着ゲートから売店があったような記憶はあまりない。荷物受け取りゲートに入ると、どこも同じような景色で荷物がコンベアーに乗ってゴロゴロしている。そこをトランクをもってうろついていると、荷物の取り間違えか荷物泥棒が頻発しているのか、頻繁に搭乗券の半券の提示を求められる。半券の番号と荷物の番号の照合を終えると、時に半券を返され、時に持っていかれてしまう。しかし半券を持っていかれた後も別の警備員?によって半券の提示を求められる。「他の奴に持っていかれた」と言うと、「じゃあパスポート見せろ」と言われる。パスポートを提示して名前を確認される。「日本のパスポートって赤じゃないの?」警備員はにやにやしている。なんだ。コミュニケーションのつもりか?
 
荷物受け取りホールから自動ドアを潜るとタクシーの客引きブース(同人イベントの企業ブース、あるいは屋台みたいな感じだ)があり、「Taxi!!」「Taxi!!」「Taxi!!」と心なしか野太い掛け声の少女時代を越えると出口に出る。出口には沢山の出待ちが降り、ここでも野太い少女時代がライブを強行している。
ネットで調べていたときに「リマに夜間着、朝まで空港内で粘れるか」といった質問を見たが、わたしの記憶からすると「人による」ところだとおもう。後日我々一行は朝から夜までホルヘチャベス空港内で粘ることになるが、朝から夜までであれば二階フードコートが開いている(ちなみに到着ロビーから荷物受け取り口は推定一階だ)。しかし深夜になるとたぶんあそこは閉まるので、うーん、使えないんじゃないかな。知らんけど。
ちなみに、流石に南米大陸の玄関口らしいこともあってか、ホルヘチャベス空港はよく清掃されている。後日わたしはひどい食あたりを起こし空港の床に座り込むが、場所を選べば痰唾が落ちていることもなくおおむねクリーンであった。(ここでスペース前に立ち止まった人間二人がぼそぼそと何か二人ごとを喋りながら弊お品書きを見ている。なんか文句あるのかと言わんばかりにわたしは顔をあげた。)
 
また、空港内には空港公認の少女時代(タクシードライバー)とその辺の野良の少女時代(タクシードライバー)がおり、野良の少女時代はほぼその辺のおっちゃんが道で売ってる(売っている)少女時代(TAXIの看板)を車の上に乗せて走っていればまだ良い方(これを白タクと言う。ただの中古自家用車で走る野良少女時代もいる)だ。当然治安はよろしくないので多少ライブ代は張るが空港公認の少女時代(タクシー会社としては三社ある)に頼んだ方がいい。
我々一行は「女」「アジア人」「よわそう」のアバターを脱ぎ捨てることができないのでホテルの送迎を頼んだ。一番値は張るが、ホテルとしてもこちらもかなりの金づるになるため、一番丁重に扱ってもらえると(わたしは)思う。
 
ホテルで送迎を頼むと大抵の場合(少なくともわたし)は、空港の荷物受け取りホールから出たところ、野良少女時代のライブ会場で待ち合わせになる。相手は予約代表者(わたしだ)の名前を書いたパネルを持って立っている。
あちらからしても太客であることは確かなので、バックレて置き去りにされるということはたぶんあまりないと思うがわたしはそれを恐れながら現地携帯を握りしめていた。万一のときさ緊急連絡先に連絡するためだ。
そして推定ドライバーと落ち合ったわたしは、片言の英語で片言の英語話者であるドライバーに伝わるよう必死に懇願した。
「プリーズ、ウェイトヒィア。マイフレンド、ラゲージ、ディライナウ」
 
「南米 旅行 荷物」で検索するとたぶん必ず「出てこない」がサジェストされると思う。我々はそれを恐れていたが案の定そして初手で起こった。戦々恐々とする同行者は「わたしのことはいい、兎に角アンタは到着ロビーに出て、ホテルの送迎に事情を説明して!」彼女は現地での通話手段を持っていない。ホルヘチャベス空港には空港フリーWi-Fiはあるが、通信具合は東京メトロフリーWi-Fiと同格、これが仏の垂らした蜘蛛の糸だったかしら?と錯覚する具合である。
再びの合流は叶うのだろうか、不安を胸にカンダタは走った。後方に置いたこの場唯一のわたしの友を思いながら走った。嘘だ。走ってはいない。トランクを引き摺って歩いた。わたしの荷物は幸運にもいちばんの「ば」の辺りに出てきた。
少女時代を越えてホテルからやってきたドライバーと落ち合ったわたしは、ほうほうの体でどうか放り出さないでくれと懇願し、ホテルドライバーは「ふーん」といった感じでわかったんだかわからないんだか知らないが兎に角了承し、わたしと共に立ちんぼに徹し小一時間ほど待たされた。彼の反応からしてたぶん荷物によってまたされるのはそんなに珍しいことじゃない。あと荷物がなくなることもそんなに珍しいことじゃない。
彼女を待つ間、カンダタはドライバーと会話を試みた。なんとか覚えた自己紹介をスペイン語で披露したときだけ反応がよかったが、それ以外はほぼ無表情無言立ちんぼとなっていた。オラ!コモセヤマ………~完~
 
以下はロストバゲージの危機に瀕した同行者の談だ。
 
我々には幸運にも強い味方がいた。というのも、出発地成田から同乗していたイケメンと彼女が面を通しラインを交換していたのだ。イケメンはペルーに親戚がいるらしく、そこに滞在するためはじめてひとりで飛行機に乗ったらしい。
彼女は荷物の流れるベルトコンベアの狭間にあるサービスカウンター?というにはあまりにお粗末な教卓めいたデスクとそこにたつ係員に、日本語とスペイン語がほぼネイティブのイケメンの仲介により「荷物が出てこない」「出てきたらホテルに連絡をしてほしい」「ホテルのアドレスはここである」との旨を伝えたらしい。
もしスペイン語ネイティブのイケメンがいなかったら、蜘蛛の糸は途切れていたことだろう。彼女の荷物は幸運にも二日後に発見され、ホテルに送られてきた。
 
というわけで、今回の記事の要点は以下の通りです。
・同人イベントサークル参加がこわい。
・フジョシに何か悪いこと言われてるわけでもないけど買いのがしのプレッシャーや自分がここに存在してしまっている恐怖にうち震えている。もうこれは仕方ないのだ。
・ペルーはリマ、ホルヘチャベス空港が夜間滞在に向くかは正直人による。(なお、空港の周りは討伐クエスト★五つレベルの危険地帯らしい)
・行き道でバゲージが失われたときは「荷物が出てこない旨」「出てきたらここに連絡先してほしい旨」を伝え、ホテルの連絡先を係員に渡す。
 
なお、後日ナスカへのツアーで一緒になった大学生グループはついに荷物が出てこず、洋服一式を購入したらしい。
わたしは幸運にも南米で預け入れ荷物が失われる経験はしなかった(預け入れ回数は8回)が、まぁ「普通に出てきたらラッキー!」くらいの気持ちでいた方が万一のとき楽なんじゃないかなと思います。南米二人参加、イベント単身参加からは以上です。

「世界」の価値

「限界のその先の力を使うのはキツい。だから、力をくれ… 手嶋さん!! 青八木さん!! 鏑木!! 小野田!! そして…鳴子!!」

 

「ジャージを背負ってここを走らせてもらってることに感謝してる だから競り勝つ!! 相手が誰であっても!! それがエースの価値だ!!」

 

――渡辺航弱虫ペダル』(509話)より

 

 


この度北海道における大きな地震にて被災された方、および台風23号で被災された方におかれましては、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い再建をお祈り致します。
なお、この記事については、週刊少年チャンピオンにて連載中の漫画『弱虫ペダル』509話「エースの価値」について大荒れした挙句、意識されているか否かに問わず否応なく作者の倫理によって定義される漫画世界において存在するやもしれぬ倫理規定を呪い、世界の崩壊を希求する気持ちを抑えるために最適な、絶望的な感情に捕らわれた人間の気を紛らわせるパワー系パニック映画を紹介するだけの記事ですので、読まない方がいいです。

 

 

「エースの価値」を知った後のやり場のない感情を処理する為に四時間使っている。

とりあえず「レース自体が終わっていない」時点であの煽り文を付けた編集サイドの人間を極刑にして下さい。アレが侮辱でなくて何が侮辱なんですか、この世界に神はいないんですか?

 

週刊少年チャンピオンにて連載中の漫画『弱虫ペダル』において描かれるキャラクターたち個別の努力については、何も言うことがありません。あの漫画に描写されている時点で、努力していない存在、故に驕ったものというものはない。皆一様に真摯なんです。それだけは確か。

 

であればこそ、なんだアレは。

 

「勝利すべきキャラクターは居らず、ただ勝敗だけが存在する世界線」であれば、こうも読後感を処理する為に時間を費やすことはないだろう。

箱根インハイを描いていた頃の弱虫ペダルというのはそうであったと、少なくとも私は思おう。

私が弱虫ペダルという世界における「繰り返し」を知らない一年目の段階で起こる数々の事象は、まぁそういうこともあるな、凄い、こういうこともあるのかと、一重に感動の眼差しで見ていた。

 

オイ聞いてるか二年目の三日目におけるインターハイ展開、テメーだよ。

 

立ちはだかる危機、追い詰められるも「同じチームの仲間との間に築いた絆」を糧に立ち上がる総北メンバー、そして勝利。

一年目で描かれたそれにはまぁそういうこともあるかと納得した、それを、二年連続で繰り返されると、「作者による結論である」という納得によって蓋をされ得ない、ある感情、そして疑念が沸き起こる。

なに、この既定路線じみたそれは……と私は宙を仰ぎ、そしてこの漫画における世界観を疑い始める。


箱根インハイにおける心臓がポンプする山岳賞、各日程最終ゴールで繰り返し描かれてきた「ロードレースの世界において速度こそ全てであり、努力を出し切った以上それ以外の何物も介在し得ない」という価値観。

それを提起しつつも一年目の焼き直しを思わせる二年目の展開に私が透かして見たものというのは、「仲間同士協力することこそ正しい」すなわち「勝利」であり、「正しくない価値観は勝利しない」世界観なのではないかという疑いだ。

作者の意識の上にその意図がなかろうと、見たいものを見て見たくないものを見ないという制御は人間だれしも無意識に行うものだ。

 

前者(「ロードレースの世界において速度こそ全てであり、努力を出し切った以上それ以外の何物も介在し得ない」という価値観)のもと行われる展開が、二年目IH三日目のレースであるのならば十分に納得できただろう。

そこに存在するのはただ「勝敗のみ」であり、可能性は無限に広がっている。

 

しかし後者であれば、

仲間と協力し、仲間のことを思い、皆で連帯し揃ってジャージを届けるという「正しい価値観」に与えられるものが「最終的な、最も大きな勝利」といういわば「正しさ」の証明であり、そうでないものに正しさたる「最大の勝利」は決して付与されることがない、可能性すらを否定する規定の元に存在する世界観であるとすると?

 

極論言ってしまえば話の筋なんてもんは作者の勝手の領分でありそれを元手に云々する不平不満ばかりの「読者」という存在を介在させるべきではないと常々私は思いますが、その世界観の元にある世界に、私は何ら尊厳や価値を感じない。

 

という訳で今日も今日とて大荒れですが、ここで最近見た(ポスト)アポカリプス映画を紹介して気を静めたいと思います。

 

近々本業たる学生の領分にてビックイベント・公開処刑(ゴミを元手にした学外発表)を控えているため生存にも気がそぞろ、関係領域の記事を見るにつけ公開処刑時の弁明に使う資料もといゴミのゴミぶりが明らかになり、悲鳴を上げ頭を抱えながらネットフリックスで映画を見る日々を最近始めました、現状それなりに続いています。純度1000000%の現実逃避。

 

ここで今回紹介する(ポスト)アポカリプス映画について以下の通り定義したいと思います。

①大規模なパニックを扱う(パニック映画)
②開始時点で既に文明が壊滅している(ポストアポカリプス映画)
③劇中以降で収拾のつかない事態を予測させる

このいずれかを満たす映画作品を「(ポスト)アポカリプス映画」として、この記事での定義としたいと思います。

 

なお、映画紹介を行う人間についてですが、映画鑑賞については旅行同様まったくの素人、趣味と言って憚らない程精通している(またはしようとしている)意識は無く、水を片手に「ただ気さえ紛れれば何であろうと全く問題ない」という認識のもと現実逃避に映画鑑賞を行っている身なので、諸々ご容赦頂ければと思います。

 

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現実逃避に供されるゾンビ映画がやたら多いのではないかと思われるかもしれませんが、バイオハザード攻略本によって児童期における識字訓練と情操教育を済ませた人間は、ゾンビ映画を見ると親と誤認して見てしまう習性があるのです。

なお、蛇足ですが特に私の情緒育成に影響した攻略本は『バイオハザード』『バイオハザード アウトブレイク』『バイオハザード CODE:Veronica』の三冊でした。ヨーコの設定と零下のシナリオに過載されたロマンと夢は、私の青春時代に甚大な影響をもたらしたものでした。そして何より、あらゆる設定を盛ろうと結局最後、各位助からないエンドがある群像劇は至高。感染による味方の変貌もゾンビ映画の見どころであるところだなぁと感じます(この辺りの性癖はSIRENにおけるパロディを行う際の既存のキャラクターの屍人化に対する躊躇いの無さに続いている気がします)。

最後に、スティーブ・バーンサイドが再登場したら連絡下さい。

 

以下で各映画の簡単な紹介とネットフリックスにおける視聴の可否を記載していきますので、各位宜しければ参考にして下さい。いや、参考にしなくたっていい、ただ気がまぎれさえすればなんだって良いんだ。

 

AKIRA (1988) ネットフリックスで見れる!
1988年東京に新型爆弾が落とされ勃発した第三次世界大戦後の世界、暴走族のリーダーである金田は立ち入り禁止区域にて別件にて逃走中の小男を避け事故を起こした結果、軍に身柄を拘束された仲間の鉄雄を探しに行くが……
攻殻機動隊とか旧劇場版エヴァンゲリヲンの質感やあの時代の空気に強い性癖を感じる人間にオススメ。持っていかれる。

ただこちらの作品、舞台設定が「東京オリンピック」を控えた「2019年」の世界なので、平成末年(推定)に鑑賞するのもエモいんですが、2019年まで寝かせておくのも悪くない案かと思います。

 

インドオブザデッド(2013) ネットフリックスで見れる!
失恋した男と失職した男が二人の友人の男の出張にかこつけゴアに向かう!(原題Go Goa Gone) 失恋した男は向かった先のゴアで出会った美女に「離島でロシアンマフィアが開催するパーティーがある」と誘われるがままに離島に乗り込み、朝を迎えると……
開始十分で「月曜日は嫌だ」という内容の歌が流れるので最高。所々の台詞回しが非常にツイッター映えする内容でありツイッターで映画の画面キャプチャが流れて来たこともありましたね。内容としては私は所々中だるみするかなという感じなんですが全体的には面白かった。視聴後インターネットで他人の感想を見た所色々な事実が判明したので、映画が好きで色々知識がある人が見るとより面白い作品だと思う。知識がなくても楽しめるので是非。ババジキブッディー(ゾンビ走りません)

 

クローバーフィールド/HAKAISHA(2008) ネットフリックスで見れる!
主人公がマンハッタンの自宅?で昇進転勤パーティーをしているその時!マンハッタンに巨大怪獣が現れる!!
都市を謎の超巨大生物がパワーで破壊していく様を見たい人におすすめ、突如現れた災厄になすすべもない一般人が何とか生存目指して生きて行こうとする様に感動を覚えるタイプの情緒を持つ人間には百点満点の結末。『バイオハザード アウトブレイク』とかAA作品バイオモナードの民間人視点のストーリーとか好きだった人間にはハチャメチャに刺さる。

 

クローバーフィールド パラドックス(2018) ネットフリックスで見れる!
世界的なエネルギー不足のなか、打開策として期待される宇宙船における実験中に事故が起き……
クトゥルフ神話TRPG「火星より」を見ている最中に思い出したのはさて置き、21世紀の人間の新たな定番恐怖即死ステージは宇宙で決まり! ほら、真空だし……逃げられないじゃん……?(いや、前世紀から宇宙船パニックはまま存在していたのでは……?)

メインカメラは宇宙に据えられていますが、この映画世界における地球も地球で無事ではないので前作が好きな人も安心して見られます。一緒にエンディングロールに向かってなんだそれはとキレながら呆然としよう!

 

ジオストーム(2017) ネットフリックスで見られない
南米から帰国する時に視聴した映画、予告編の「彼氏も凍った……」が好きだったんですが、本編も期待通りの暴れぶり、世界中が衛星由来の異常気象でどったんばったんしている様はお金がかかってる感じがして中々面白かったです。エンディングは嫌い。

 

スウィングオブ・ザ・デッド(2012) ネットフリックスで見れる!
原題「BATTERY」、ゾンビパニックにより荒廃した世界で拠点を転々としつつ生き抜く元野球チームの中継ぎ投手と正捕手コンビだったが……。
ポストアポカリプス後の世界で淡々と生きる人間のロードムービー。是非全国のフジョシにはこの映画における設定をパロディした男同士の生き残り物語を語り聞かせてほしいんですけど、バトロワパロ以上に救いがゼロなのでそのつもりで見るといいと思います。暫く見たくない。(ゾンビ走りません)
※鑑賞後映画がトラウマになりそうだったので私は間髪入れず『インドオブザデッド』、一日置いてから『アタックオブザキラードーナツ』を鑑賞し、そこから『クローバーフィールド パラドックス』の資金のかかった美しい宇宙映像を見てようやく心が立ち直りました。ご参考までに。

 

ゾンビ・サファリパーク(2015)ネットフリックスで見れる!
ゾンビパニック収束後の世界、ゾンビパニックによるトラウマを残す主人公は克服の為、僅かに残ったゾンビを孤島に収容し、「狩猟」を楽しむリゾート施設に向かうが、案の定ジュラシックパーク現象が発生してしまう。
原題「RESORT」、クソふざけた邦題からは想像できない程設定が練られているのでわりと面白かったです。ラストシーンのゾンビ大脱走は必見。(ゾンビ走ります)

 

ドーンオブザデッド(2004) ネットフリックスで見れる!
突如発生したゾンビパニック、生存者たちはショッピングモールに立てこもる。
圧倒的なゾンビパワーを前に追い詰められていく生存者たちの一時の享楽的な生活が美しく描かれ高得点。行き詰まった状況における生存者たちの仲間割れが適度に状況の絶望にスパイスを加えていく様が芸術的です。ネットフリックスでは見られないんですが特典映像もゾンビパニックで人間生活がいかに変容していくかが生々しく描写されていて私はとても好きな作品です。ゾンビ走ります。

 

ワールド・ウォーZ(2013) ネットフリックスで見れる!
突如発生したゾンビパニック、主人公のジェリー(元国連)は家族を連れ混沌とする街を脱出、収容された海軍軍艦に愛する妻と子供を匿って貰うことを条件に、ゾンビパニックの発生源を探るべく、世界を股に掛ける!
主人公が強すぎて正直感じない。ゾンビよりアメリカにおけるヒスパニック系の移民家族描写やイェルサレム分離壁のことがめちゃめちゃ印象に残ったんですが、金がかかってるだけあって色々壮大な景色や突飛な映像を見られるのは良かった。「主人公がクソ強い」ということを念頭に置くと、そういうものとして楽しめるかもしれません。ゾンビ走ります。


今回の表には掲載しませんでしたが「デイライツ・エンド」(2016)というゾンビによるポストアポカリプス映画という分類に入りつつ実の所生存者たちの冗長な会話を執拗な顔のアップで演出するある意味SAN値が減る映画もあったのですが、8月31日をもってネットフリックスから消えたので、ここでの紹介は差し控えました。

TSUTAYAなどでもし見かけたら是非借りて見て下さい。ある意味色々なことを忘れられるかもしれません。

 

 

気が紛れきらなかったので話が冒頭に戻ってしまうのですが、しかし、作中における勝敗を始めとする事象について作者の倫理だとか云々に理由を求めると本当に救いようがないので、無理やりにでも作中に理由を求めた方が救いがあるなと私は荒れ始めて五時間でようやくその境地に至りました。

勝利によって自己肯定を得ていた御堂筋くんが、大いなる目的の為であれば目先の勝敗について拘らない、身体を保全するという方向に目が向いたのであれば、それはそれで一つの成長として考えることは可能なのではないか。

しかしいずれにせよ、そのように思わなくもないんですが、どうしたって描写が少ないので、こちらの都合がいいように考える他無い上、これから先の展開や、その「友情パワー」、そしてさらに二年目である以上これから先の物語において「御堂筋くん」という存在がどのように描写されるかにもよって荒れ方が変わるんですね。

その世界観において正しくない存在には勝利を付与しないという倫理規定が存在する可能性がある以上、これから先「御堂筋くん」という当初のキャラクター、いわば人格を一種の洗脳、もとい「浄化」、或いは「回心」のように扱われることがあるのではないか、原作がそうである以上、それ以外の「可能性」は存在しないと規定されることさえもあり得るのではないか。

それならもういっそ早く言ってくれ。「正しさ」の証明は最終的な、圧倒的勝利であって、作品世界において「正しくない」と判断されるものに「正しさ」の証明たる圧倒的勝利は存在しないと、

 

しかし、もしも実際に、作中世界において最強の第六元素は友誼であり、皆でジャージを届けるという団結が「正しい(勝者)」ものであって、そうでないものは「正しくない(敗者)」と倫理規定がされているのであれば、それはそれで一つの結論だとは思います。

その規定の外側にあるのが創作であり、考えることはどうしたって自由なのですし。

 

追記

書ききってからツイッターを見て改めて「決着がついたわけではないな」と極めて冷静になったので、七時間も苦しんでいないで広い視野を持って建設的なことをすべきだったなと思いました(不毛な反省)

 

追記(2)

 

しかし、もしも実際に、作中世界において最強の第六元素は友誼であり、皆でジャージを届けるという団結が「正しい(勝者)」ものであって、そうでないものは「正しくない(敗者)」と倫理規定がされているのであれば、それはそれで一つの結論だとは思います。(上述)

 

あれから一週間経って次なる作者のプロットをそれぞれの情報筋から伝聞致しましたが、どうやらこの記事で大荒れした案件がよっぽど真実味があるような気がしてきて……?

インターハイとかいう些細な勝敗より体が大事という判断であることがわかれば余程納得できるので、得てして作中でそのような詳細説明はないと思いますがせめてそのようであってくれと願っています。

その上で、一年目を読んだ時点でわたしが危惧していた、「彼、三年目のインターハイなんか出走したら死ぬまで走り続けるのでは……?」という懸念は少なからず放逐されたかなと思いました。

 

しかし何なんでしょうね現時点の友情ぱわわの大勝利プロット

 

滅びよ。

いま(下痢で)負けそうで泣きそうで消えてしまいそうなぼくは市販薬を信じるべきではない。救いは処方箋にのみ求めるべきである。

 

実はこのブログ、いわくつきである。

日頃私は健康な生活を送っている、というより、頑健にかまけ不健康な暮らしを送りつつ、怠惰ながら健康を享受しているのだが、年に一度あるかないか程度の確率で大きく体調を崩すことがある。

その直前に、不思議とブログを更新していることが多いのだ。

ブログは体調不良の始まりなのか、体調不良の兆しが私に回顧録に走らせるのか、卵が先か鶏が先かは定かではない。

 

しかし確かにそういえば、カンボジア回顧録を血涙を流しながら夜明けまで書き上げた時は、その後見事発熱し一週間寝込んだ。そして先のイギリス留学の回顧録から間を置かず、二周年記事を書き上げた翌日にも見事発熱し、その余波はファーストインパクト(発熱)から一週間たちつつある今日まで続いている。

 

一般に、多くの人々の通院の決め手というのは熱の有無だろう、下痢や腹痛程度では通院を様子見する人間は多い。

しかし、これはあくまで、骨格から健康優良児、持病無し、花粉症を含むアレルギー症状今の所なし、エアコンとカロリーを目当てに献血ルームに入れば忽ち400ml血を抜かれ、けんけつちゃんの耳へと吸い取られる者の主観によるが、腸による反乱が発生してしまった腹痛と下痢を抱える人体というのは、存在しているだけで尋常ではない体力を消費する。

 

確かに、熱は危ない。かのサカリョも近江屋事件の折、のうがやられてはあかんと言ったとか言わないとか聞いたことがあるし、頭は大事なんでしょう。

ちなみに、私の幕末日本イメージは銀魂(~吉原炎上編)とFate/Grand Orderの期間限定イベント・「ぐだぐだ明治維新」および「ぐだぐだ帝都聖杯奇譚」によって構成されている。

ここまで思って気付いたんですけど、およそ史実はないですね? 特に後者の後者の方の例示、オープニングにバッチリ書いてありますが舞台は「1945」、幕末要素はキャラクターだけです。

それにしても、旅行で伏見とか何回か行ってるので、少なからず複数回、それ関係の展示とか酒蔵で見てると思うんですけど、体系的知識が全く頭の中に入っていない。興味関心ゼロかよ。ゼロなんでしょう。

ついでに私あの辺の時代についてあんまり教育を受けた覚えがないのもあって、時系列による体系的知識は勿論、偉人の名前とかその辺の基礎知識もちょっと怪しい所がある。しかし興味がないから忘れた可能性も無きにしも非ずなんですよね。卵が先か鶏が先か(二度目)。

 

それはさて置き、特に発熱慣れしていない人間が突如発熱をすると、突拍子も無い行動に出るのは確かだ。

カンボジア回顧録をしたためた日の夜、激しい悪寒に目を覚ました私がまず取った行動は、しまう場所を決めきれず床の上に乱雑に詰み上がった荷物*1の只中に埋もれていた御朱印帳を取り出し、部屋の一番高い棚の上に置いて必死に拝んだ。

ちなみに、平時の私は日頃観光でもなければ神社に通う習慣はなく、神社の御守り等はデザイン重視の購入である。

ブログ開設二年目に関する記事を書き上げた翌日の夜、激しい悪寒に目を覚ました私は、何故か真っ先に「熱中症」の症状を疑った。なお、発熱している人間の行動に論理性を求めてはいけない。

そして、内部でゲル状の「うずき」や「痛み」がチャプチャプしているような状態の頭蓋骨を抱えながら洗面所へ向かうと、水道に口をつけ水道水をガブ飲みした。

 

どこで拾って来たのか定かではない信心を突如として発揮し御朱印帳に手を合わせる私も、頭痛を抱えながら真剣に水道水をゴクゴク飲む私も、「発熱」という現象に一切思い至らず、「解熱剤」や「頭痛薬」、「冷えピタ」といった文明の利器のことなど、歯牙にもかけなかった。

特に前者の一心不乱に御朱印帳に手を合わせ発熱に思い至らない行動、我ながらなんか時代錯誤感あって頭おかしいですね。いつの時代からタイムスリップしてきたの?

 

さて、先のブログ二年目に関する記事を更新した折の発熱は、試験十割の講義の試験を控えたその日に発熱したカンボジア回顧録の時のものと違い、一日で下がった。残ったのは腹の鈍痛と下痢である。

当初私は、その腹痛と下痢を舐めていた。「それがどうした」と。こちとら食あたり高山病下痢頭痛酸欠コンボの記録保持者であると。諸々あるにしても少なからず「清潔さ」においてはまごうこと無き先進国であるこの日本国で消毒された食品に、南米に耐えたこの腸のリズムを乱せるものか、恥を知れ恥を(誰に向かった言葉だこれは、お前が恥を知れ)。

日頃多少頑丈な奴って、こういう所があるので嫌ですよね、あとお前は南米のことを引き合いに出し過ぎ。確かに地球の裏側で通用した事実って、なんだか妙な自信につながりますけどね、過去の話なので控えて下さい。

そして頑丈な皆さん、発熱後には気を付けて、御身を労わって下さい。とにかく発熱時絶食状態だった所に、いきなりただの米を掻っ込むのはNG。熱が下がれば飯さえ食えばあとは寝て回復するだろうなんて愚かな考えは捨てましょう。それで治る(治る?)のはティーンまで。後は下痢をして消化器の違和感からの食欲不振(食べたいけど食べたくない)コンボの苦しみを喰らうだけです。

 

そう、皆さん通院のバロメーターとして「熱」を何かと重視なさると思いますし、熱が下がればああ落ち着いたと一安心、通勤通学も可能かなって感じになると思うのですが、熱が下がってからも対応も肝心です。何なら熱よりも更なる苦しみが生まれます。

この更なる苦しみというのが、先程から連発している腹痛と下痢であることは言うまでもないでしょう。

 

腹痛と下痢を併発した人間は、息をするだけで疲弊する。

消化器の違和感と膨張した感覚、しかし腹痛、下痢の度にトイレに立つと腹部に鈍痛が走る。しかし、それでも、熱が下がっていると一番苦しいのは、「空腹」だ。

耐えがたい空腹。高山病でも味わったあの感覚である。食べたい。何かを食べたい。しかし食べられないのだ。食べた所でそれは腹痛の元になり、果ては下痢の材料になる。食べた所で辛い、食べずとも辛い。熱は下がっており確かに快方に向かっているんでしょう、だからこそ発熱時のように意識を失うことも出来ず、睡眠不足が重なる。人間体調不良になると眠れなくなるんですね? なんですかこのバグ、たまげたなぁ。

 

愚かなことに成人する程度に人生を積んだにも関わらず、「腹痛と下痢だけならまぁ外出も出来ましょう」と思っていた私は、解熱して二日後にちょっと野暮用があって出かけたんですけど、昼食ついでに正露丸を飲みながら、「別に腹は痛くないし漏らしそうってこともないけど、いったいなんだろうこの脂汗は」と、どこからともなく垂れてくる嫌な感じにべたつくその汗を、心底不思議に思っていました。

それはまごうことなき「火事場の馬鹿力」だったと、自宅に戻ってから叫び出す程ではない、しかし無言で耐えられるほどのものでもない、地味な腹痛にもんどりうち、無意味にウ゛~(CV:野中藍大塚明夫)と唸りながら、あの「不思議な脂汗」を思い出し、私は後悔していた。

海外や屋外であれば耐えられるというのは「火事場の馬鹿力」でしかなく、普通それは、殊に日頃健康体を享受し不健康に慣れていないユーザーには、耐えがたい苦痛なのだ。

海外や屋外で倒れてしまうというのは、もう本当に本当の異常事態であって、だからこそ救急車も出動するのである。

 

あと、先程もちょっと触れたんですが、唐突に不健康になると人間、何故か眠れなくなるようです。なんでかは知らないんですけど、まとまった時間眠れなくなる。二時間置きに目を覚ます。発熱している間は気絶が出来るので良いんですけど、熱が下がって腹の痛みに耐えながら眠ろうとしても、気絶が出来ないのでどうしようもない。

これはもうやっていられないと、処方箋を貰うために腹痛(二日目)を抱え決死の想いで外出し、初診料を支払っても、飲んだ処方箋に決して即効性がある訳ではない。しかし頑丈を自負する身体は、以前インフルエンザを罹患するも薬を飲みひと眠りした結果、半日でインフルエンザから体の主導権を奪い返した記憶のまま思い込みで動くので、本当によくないんですね。

 

そしてさらに時間が経過し、熱が下がって処方箋を貰って、それでもなんでこの気怠さが抜けないんだろうと心底不思議に思いながら、ツイッターで見たチョコラBB紹介画像を見てチョコラBBハイパーを購入、ラベルには小さな文字で次の記載

 

「以下の症状がある方は服用を避けて下さい:下痢」

 

Ηλι ηλι λεμα σαβαχθανι.――『マルコによる福音書』15章34節より。

(空を仰ぎながら、心もとない腸よりか細く呟く声はさながら磔刑に処されるキリストのような)

 

不注意から結局410円払ってしまったので仕方なく液状便の悪夢にうなされながら一滴ずつという調子で舌の上に乗せていたら、幸いにも液状便から霧状便にグレードアップすることなく、チョコラBBハイパーをドーピングしたその日の日没辺りから身体の主導権が不調から我が手に戻って来た感じになりました。ありがとうエーザイ、ありがとう処方箋。

 

 

そして以下では、今後発熱・腹痛・下痢の三コンボを再びたたき出してしまったときの為に、発熱慣れしていないにも関わらず発熱した脳でもわかりやすく理解できるよう、私の為の簡単な対応策を備忘していきたいと思います。

ついでに食あたり下痢コンボについての備忘もしたいと思いますが、全て私の経験を基準に書かれているので正直私ではない人に向けては参考にはならないと思います。

皆さんは皆さんで各自対症チャートを作成していって頂くのが一番いいかなと思う次第です。

 

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拝啓 未来の私へ

 

このエントリーのこの部分を読んでいるということは、どこで何をしているのかはともかく、あなたは短期的に、全く幸せではない体調不良に見舞われているということでしょう。

以下にこれまで見舞われた症状とその対策をまとめますので、是非参考にしてください。

 

・悪寒で目が覚めた!どうしよう あとなんか頭も痛いかもしれない。

→十中八九「発熱」をしています。「体温計」と「冷えピタ」を持ってきてください。なお、わたしの住居が今後の発熱時も変わっていない場合、体温計の電池は昨日(2018年8月22日)切れ、2018年8月23日現在取り替えず放置していることをここにお詫びします。

 

・熱は下がったけど眠れない!つらい

→不健康な状態だと眠るのも難しいみたいです。私も今回初めて体感しました。諦めて頑張って下さい。

 

・熱が下がったしお腹が減った、ごはんが食べたい。

→駄目です。発熱に伴う絶食により、あなたの消化器はなんだかつらい状態にあると思って下さい。お粥がウィダーインゼリーにしましょう。何なら一日くらい絶食した方がいいかもしれません。なお「脂っこいもの」「柑橘類」を取るとその後の腹痛下痢コンボを誘発するのでいけません。多分今回の私は熱冷め早々にバリバリ柑橘類を取ったのが決定的な悪手だったんだと思います。私の失敗を生かして下さい。

 

・お腹が痛いけどお腹が減った、ごはんが食べたい。

→そういえば高山病の時はチョコレートを食べましたけど、多分消化にあんまり良くないんじゃないかなと思います。チョコレートを溶かして食べたいなぁと思ったら、消化にいいかどうか取り敢えず調べてみて下さい。とにかく、消化にいいものを選んで食べて下さい。あと食欲があるうちに病院行って下さい。薬を飲むのが辛くなるので。

 

・下痢

→明らかに体調不良と分かる時に正露丸とストッパで対処しようとするのは現状維持の一手でしかないのでやめてください。

あとあなた食あたりの時も下痢止めでなんとかしようとしましたね? それで発熱に至ったことを思い出し、ストッパを過信するのを止めて下さい。

下痢の場合ケースによって出すか止めるかが分かれます。

 

(1)何か食べた心当たりがある 或いは ペルーで何か食べた

この場合は出した方がいいです。以前食あたりで発熱まで行ったときは、同行者が持っていた強烈な下剤で事なきを得ましたね? なんかあんな感じの薬を探して飲みましょう。そこがペルーでないのなら、病院に行って処方箋を出して貰うのが一番いいです。

 

(2)特に心当たりがない

この場合は私もよくわかりません。熱が冷めた翌日にめちゃめちゃ飯食ったか、感染性胃腸炎かもしれないとなんか医者は言ってました。とりあえず医者に行って処方箋を貰って下さい。突如腹痛だけが降って来るケースは兎も角、元より体調不良がある場合、静観しても、事態が良くなったことはあまりないです。

 

・熱が下がって処方箋を貰ったのに、身体がだるい

→栄養ドリンクを一滴ずつ飲んでください。アクエリアスポカリスエットに溶かしても良いと思います。なお栄養ドリンクを購入する前に、「下痢でも飲んでいいかどうか」を主眼にチェックして下さい。今回は結果的に別に飲んでも良かったみたいなんですけど、まぁ確認したところで罰は当たらないでしょう。

 

《番外編》

・爪先を出すスリッパを履きながら歩いていたらホテルの段差に激突、ボリビアのクソ田舎で爪を割ってしまった! いたい。

→まずネットで「爪 割れた」で検索するのを止めましょう。どのサイトも「清潔な布でくるんで病院に」と締めくくるので、ボリビアのド田舎、ウユニ塩湖の畔にいる我が身を顧みて腹が立ちます。次に飲み水、ミネラルウォーターですすいで下さい。水道水につかるとか、それが嫌だから洗わないとかよりマシです。最後にマスキングテープで補綴して下さい。帰国までその状態を維持したまま、シャワーに入る時は当該部位にホテルのアメニティで着いてるシャンプーハットとかを巻いて水に触れないようにしましょう。なお、バンドエイドは爪がテープに貼り付いて痛いらしいので、それを使うときは程々に覚悟をした方がいいです。

 

 

敬具

*1:整理整頓が行動様式に入っていない人間の生活空間にはしばしば「しまう場所を見つけられずとりあえず目につくところに置いた荷物」による小規模から中規模の塚が発生する。